ブラジル、弾劾裁判の可能性高まる | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル、弾劾裁判の可能性高まる 中南米 ブラジル

足元、ルセフ大統領の退任の動きが強まっていますが、それを好感し通貨レアルや株価は上昇基調にあります。当面、ブラジルの政治動向から目が離せない状況が続くと考えます。

ブラジル:ルセフ大統領退任を求め過去最大規模のデモ発生

2016年3月13日、ルセフ大統領の退任を求める大規模なデモがブラジル各地で行われました。資源価格の下落などを背景に経済がリセッション(景気後退)に陥いるなど厳しい状況が続く中、政府要人の汚職スキャンダルもあり、政府に対するブラジル国民の不満が強まっています。

今回のデモは参加者が300万人を超えたと地元メディアは伝えていますが、デモの参加者はルセフ政権の汚職に憤る中間層が主体で、デモは平和的に行われているとも報じられています。

どこに注目すべきか:市場は好感、次の連立、左派政権の継続

ルセフ大統領の退任を求める動きに対し、足元、通貨レアルや株式市場は上昇しています(図表1参照)。ルセフ政権下で遅れていた財政改革への進展を期待しての動きと見られますが、通貨レアルや株価が本格化に回復するには、ルセフ後の政権の姿に注目する必要があると思われます。

まず、最近のブラジルの為替、株式市場の動向を見ると両市場ともに回復傾向にあります。足元、ルセフ大統領弾劾裁判の動きが強まっていたことから、市場は弾劾裁判をプラス要因と受け止めていると見られます。一方で、この間、原油価格の下げ止まりや、最大の貿易相手国である中国の預金準備率引き下げとその後の鉄鋼石価格の上昇なども下支え要因とは見られます。

次にルセフ政権の今後を占う上で注目されるのが、連立与党の動きです。2014年に再選した労働者党(PT)ルセフ大統領はブラジル民主運動党(PMDB)党などと連立与党を構成していますが、PMDBは3月12日の党大会で連立解消を30日以内で決めるとしています。労働者党の創設者でルセフ大統領のアドバイザーでもあるルラ前大統領の訴追やルセフ大統領の再選選挙での資金疑惑などを受け、連立解消をも視野に入れた動きが見られます。仮に連立解消となれば弾劾裁判が実施される可能性は高まると見られます。

もっとも弾劾裁判に必要な賛成票の獲得にはPMDB以外の連立与党が賛成に回る必要があるとみられますが、大規模デモが発生するなど、国民の不満が高まっていることもあり、更に連立与党離れが起きる可能性にも注目が集まります。

最後に、ルセフ政権後、どのような体制になるのかも注目されるポイントです。ルセフ大統領の労働者党は補助金を多く出す傾向があるなど左派政権であり、ともすれば財政改革の遅れの要因とも見られています。ブラジルのデモがルラ前大統領やルセフ大統領に対するもので、左派政権は維持されるのか、それとも時間をかけてでも左派政権まで変えてしまう大きな変革になるのか、現時点では不透明ですが、注目される点です。

例えば近隣のアルゼンチンでは左派政権から市場重視のマクリ政権に政権が移行したことで市場にとってプラスの変化が起きていると市場では捉えられています。

今後の動向次第では、政治的に大きな変革となり、金融市場への影響も大きくなる可能性があることから、当面、ブラジルの政治動向から目が離せない状況が続くと考えます。

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