2極化する中国不動産市場で起きていたこと | ピクテ投信投資顧問株式会社

2極化する中国不動産市場で起きていたこと アジア 中国

中国不動産市場の2極化について、本紙2016年3月10日号で紹介しました。中国当局は過熱気味の不動産投資抑制の方向で動き出しています。ただし、中国の直面する問題は山積みで解決には時間がかかると見られます。

中国人民銀南京支部:住宅ローンのリスク管理を呼び掛け

報道によると、中国人民銀行(中央銀行)の南京支部は声明で、住宅購入で本来なら自己資金で用意すべき頭金が、不動産会社やオンライン金融、小口融資会社からの融資で提供されたものであれば、各銀行は住宅の買い手側に住宅ローンを提供すべきではないと指摘しています。

どこに注目すべきか:中国不動産市場、購入規制、李克強首相

中国不動産市場の2極化について、本紙2016年3月10日号で紹介しましたが、中国当局は過熱気味の不動産投資抑制の方向で動き出しています。ただし、中国の直面する問題は山積みで解決には時間がかかると見られます。

今回のレポートでは、中国の一部で過熱する不動産市場を通じて中国が直面する問題点を述べます。

1つ目の問題は中国の不動産市場が2極化している点です。

報道によると中国人民銀行の周総裁も過熱する大都市と回復が見られない地方都市(図表1参照)を問題として指摘しています。2極化が中国当局にとって問題なのは、利下げのように、中国全体に効果が波及する金融緩和政策の使用が控えられる場面も想定されることです。軟調な世界経済の回復を受け、中国の輸出が低迷する中、内需の喚起に金融緩和政策の必要性が高まっていると見られるだけに、不動産市場の2極化は当局にとって、頭の痛い問題と見られます。

2つ目は不動産価格上昇の背景に質の問題が含まれていることです。報道によると、住宅市場が過熱している上海市は3月25日に住宅購入の規制を強化しました。主な内容を見ると、上海戸籍を持たない人が税金や社会保障を納めれば購入可能となる期間を2年から5年に引き延ばしたことや、2軒目の住宅購入に求められる頭金比率を従来の3割から住宅規模に応じて5割から7割へと引き上げています。

さらに、先の南京市同様に、住宅ローン申請における頭金アジアは自己資金であることが求められています。しかし、このことは反対に言えば、上海などの不動産市場上昇の背景には頭金への融資など、質に問題のある資金も使われていたことになり、健全な回復とは呼びにくい状況です。

最後に、中国政府が目指す市場メカニズムの重視の遅れに対する懸念もあります。先ほど紹介した上海の住宅購入規制の強化は深センでも実施されています。主な項目は、頭金比率の制限、戸籍を持たない人への購入制限など同様の内容で、いずれにせよ行政手段による対応です。住宅規制に関しては数ヶ月前に規制を緩和したばかりなど、場当たり的な行政対応が繰り返されている印象で、中国政府が目標とする市場メカニズムの活用には相当な距離があるように思われます。

ただし、当局の住宅問題に対応する姿勢には変化の兆しが見られます。例えば、2013年の就任以来、不動産市場について発言が限定的であった李克強首相が、不動産市場の変動を抑え、不動産市場の健全な発展を支持するスピーチをしているのは異例とも見られます。問題解決の第1歩が、問題の存在を認識することであるとするならば、中国当局の対応に、ささやかな変化(改善)の兆しは感じられます。

それでも、中国は過剰在庫や債務の解消等への対応を積み重ねながら解決に向かわなければならず、中国の不動産市場の問題解消には時間がかかる可能性も考えられます。

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