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中国GDP、質を見ることも必要では アジア 中国

中国の1-3月期GDPデータで、年初に見られた中国経済に対する過度の悲観論は修正の可能性も考えられますが、中国には不良債権の増加など問題も山積みで、今後の成長を占う上では、成長の質が問われるものと思われます。

中国1-3月期GDP:市場予想に一致する成長率。景気の安定化を示唆

中国国家統計局が2016年4月15日に発表した1-3月期のGDP(国内総生産)は前年同期比6.7%増と事前の市場予想と一致しました(図表1参照)。2015年10-12月期の同6.8%増からは小幅低下したものの、政府が設定した通年の成長率目標(6.5-7%)に収まる伸びを確保しました。

また、同時に公表された3月の工業生産は前年同月比6.8%増と市場予想(同5.9%増)を上回り、1-3月の都市部固定資産投資は前年同期比10.7%増と前回(1-2月期)の10.2%増を上回りました。市場変動の沈静化、当局による金融緩和などが製造業や不動産セクターの回復につながったと見られます。

どこに注目すべきか:中国製造業、2016年予算、債務の株式化

中国の1-3月期GDP成長率が前年同期比6.7%増となったことで、年初から市場に見られた中国経済に対する過度の悲観論は修正される可能性が考えられます。ただし、中国には不良債権の増加など問題も山積みで、今後の成長を占う上では、成長の質が問われるものと思われます。

まず、2016年年初の中国経済の懸念は財新の製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を下回ったことも要因の一つであったことから、工業生産など製造業関連の指標の改善は安心材料と考えられます。1-3月期GDP成長率のうち(製造業が多い)第2次産業の成長率は5.8%と前期(10-12月)の6.0%並みの成長を確保しています。

では、今回のGDP成長率を維持できるのか?この点を占う上で、報道にあった経済情勢座談会での李克強首相の中国経済への見方が参考になるかもしれません。

1点目は、財政政策による景気の下支えです。李克強首相は景気下支え策の効果で1-3月期の回復は見込んでいた模様です。そのうえで、当面は下支えの継続が必要と見ており、例えば2016年予算の上半期での前倒し投入を示唆しています。また、地方政府の投資余力を確保するための借換債の発行額の確保を示唆するなど、従来の金融政策に加え、財政政策でも下支えが維持される模様です。

2点目は、不良債権への取り組みです。中国の成長率はかつての2桁成長から低下する中、足元不良債権が増えています(図表2参照)。李克強首相は石炭や鉄鋼部門に多いといわれる(赤字を計上しながら存続している)ゾンビ企業や過剰生産能力の整理を、債務の株式化(銀行債権の株式化を容易にする)などにより推し進める意向を表明しています。ただし、債務の株式化の効果は未知数です。中国の商業銀行による持ち株会社への直接投資の可否など法的な問題に加え、全く回復の見込みのない企業の債権(銀行貸出)までも株式化するようであれば、効果はマイナスとなる懸念もあります。選別を含めた当局の運営による下押しリスクに注意が必要です。

中国の成長率は政策等による下支えで安定的な推移も想定されます。ただ数字も大切ですが、中身も大切と見ています。

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