国際債券市場はアルゼンチンを温かく迎え入れ | ピクテ投信投資顧問株式会社

国際債券市場はアルゼンチンを温かく迎え入れ 中南米 グローバル

世界の債券市場で孤立していたアルゼンチンが、マクリ新政権への期待を背景に、国際債券市場へ復帰しました。今後は市場の洗礼を受ける可能性に注意も必要ながら、新政権への期待は高く債券市場は歓迎ムードです。

アルゼンチン:15年ぶり国際債券市場復帰、起債規模は新興国で過去最大級

アルゼンチン政府は2016年4月19日、ドル建債券約165億ドル(約1兆8,000億円)を米国市場で発行したと発表しました。当初、アルゼンチン政府は150億ドル程度の起債を予定していましたが、投資家の申し込みが700億ドル程度と人気化したため発行額が拡大された模様です。発効された債券の償還年月は2019年(27.5億ドル)、2021年(45億ドル)、2026年(65億ドル)、2046年(27.5億ドル)の4月となっています。

どこに注目すべきか:アルゼンチン、ホールドアウト、外貨準備高

2001年に約950億ドルのデフォルト(債務不履行)を起こしてから世界の債券市場で孤立していたアルゼンチンが、マクリ新政権への期待を背景に、国際債券市場への復帰が実現しました。今後の展開には注意も必要ながら、新政権への期待は高く債券市場は歓迎ムードです。

まず、165億ドルという発行規模は巨額であり、今回の起債は2015年12月に就任してから、同国を訴える債権者との和解を目指してきたマクリ大統領の成果です。新興国債券の代表的な指数であるJPモルガンEMBIグローバル指数に採用されている国の時価総額は概ね数百億ドル程度で、仮にアルゼンチンの新規発行債券165億ドルが同指数に採用されたならば、アルゼンチンの(指数の中での)時価総額はフィリピン並みの規模になると想定されます(図表1参照)。JPモルガンは新規発行された債券を指数に採用するか明らかにしていない模様ですが、同債券指数の採用ルールを見る限り、採用の可能性も考えられます。

次に、今回の起債で調達する資金の使途ですが、約100億ドルは債務再編を拒否して訴訟を起こしていた(ホールドアウト)投資家や他の投資家への返済に充てられる見込みです。残りは(恐らく)外貨準備高に充当される可能性もあり、厳しい財政状況の清涼剤となりそうです。

ただし、同時にアルゼンチンは市場の洗礼を受ける可能性に注意が必要です。例えば、マクリ大統領就任後変動相場制へ移行したペソは、歓迎ムードが一転、主力輸出品の大豆が不振だったこと等を背景に、中央銀行がインフレ懸念を理由に為替介入をするまでペソ安傾向が続きました(図表2参照)。アルゼンチンのホールドアウト問題は未解決(規模は小さい)であることや、2016年の経済成長率は-1.0%(国際通貨基金予想)と下落が予想されているのも気がかりです。インフレ率については、(国際機関から宿題となっている)信頼の置ける消費者物価指数の作成もままならない状況です。このように、問題山積みで市場の洗礼を受ける可能性はありますが、改革により投資家資金を集めたことに、より注目は必要と見ています。

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