人民元安だが、様子が違う | ピクテ投信投資顧問株式会社

人民元安だが、様子が違う アジア 中国

2015年8月や2016年年初には人民元安が中国株式市場の下落を伴うという現象が見られましたが、中国株式市場は小幅な変動にとどまっています。過去の株価が急落した局面と現在とではどこが違うのかを振り返ります。

中国人民銀:人民元の中心レートを3日連続で引き下げ、2011年以来の低水準

中国人民銀行は2016年6月1日、人民元の中心レートを前日の1ドル=6.579から0.15%引き下げ、1ドル=6.5889元に設定しました(図表1参照)。人民銀は中心レートを5月の1ヵ月間で2%弱引き下げています。人民元の対ドルレートは2011年前半の水準にまで低下しています。

どこに注目すべきか:中国製造業PMI、通貨バスケット、資本逃避

人民元が対ドルで弱含んでいます。2015年8月や2016年年初には人民元安が中国株式市場の下落を伴うという現象が見られましたが、中国株式市場は小幅な変動にとどまっています。過去の株価が急落した局面と現在とではどこが違うのか、次の3点に注目しています。

まず、中国の景気動向の違いです。過去2回の局面では中国景気に対し(過度の)悲観論が見られましたが、足元中国景気への見方に落ち着きが見られます。例えば、中国財新製造業購買担当者景気指数(PMI)の動きを見ると、2015年6月から9月にかけて49.4から47.2へ急速に悪化しています(図表2参照)。2016年年初に公表された2015年12月の財新製造業PMIは48.2となりました。ただし、市場予想では48.9程度が予想されていたため失望感が高まったと見られます。

一方、6月1日に公表された5月の財新製造業PMIは49.2と景気拡大・縮小の目安の50を下回るものの、まずまずの水準で、市場予想(49.2)と一致しています。

次に、中国当局の為替政策の変化です。2015年8月の人民元安政策は、中国当局が事前の説明なく短期的に水準を変えたため、市場は当局の意図を理解できず、リスクを落とす(株式などリスク資産を売る)動きが見られました。一方、足元では米国の利上げ観測を織り込む形で、緩やかに人民元安が進行しています。報道によると中国当局は年初の市場の変動を受け、その後人民元の中心レートの設定に通貨バスケットの動きを反映させ、ユーロなど他の通貨の動向をとりいれる運営に改善した模様です。市場実勢と整合的な動きであることが過度の変動を抑えた可能性が考えられます。

3点目は、資本逃避が既にある程度終了した可能性です。貿易にとってプラスが期待される人民元安が株式市場にマイナスとなった原因として資本逃避(実体は中国国内からと見られる)による売りが指摘されていましたが、過去の人民元安により当該ポジションはある程度整理が進んだ可能性が考えられます。

中国株式市場の落ち着きには中国A株の株価指数組入れ期待という偶然もあるのかもしれませんが、(持続性には疑問が残るものの)景気の回復期待と、過去の政策の見直しも貢献しているように思われます。

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