インフレ抑制を優先するブラジル中銀 | ピクテ投信投資顧問株式会社

インフレ抑制を優先するブラジル中銀 中南米 ブラジル

ブラジル中銀は金融政策会合を開催し、高インフレへの対応のため政策金利を14.25%で据え置くことを決定しました。中銀はインフレへの対応を重視しつつ、緩やかなレアル高は容認する姿勢であると見られます。

ブラジル中銀金融政策会合:高インフレへの対応を維持し、政策金利を14.25%に据え置き

ブラジル中央銀行(ブラジル中銀)は2016年6月8日に金融政策会合を開催し、市場予想通り、7会合連続で政策金利を14.25%に据え置くことを決定しました(図表1参照)。ブラジルは景気後退と政局の混乱が続く中、利下げを求める声は高まっているものの、ブラジル中銀はインフレ率が依然高水準であることからインフレへの対応を重視する姿勢を示しました。今回の声明は前回と同じ内容で、インフレ抑制においてある程度前進が見られるものの、現時点で利下げを決定するには不十分との見解が示唆されています。

なおブラジル上院は、次期中銀総裁イラン・ゴールドファイン氏の指名を6月7日に承認しました。同氏は今回の金融政策決定会合には参加していませんが、物価上昇圧力の抑制を続け、利下げを急がない方針を示唆しています。

どこに注目すべきか:インフレの動向、為替介入姿勢、新中銀総裁

総裁の交代を控える中、今回の金融政策会合では政策の変更は市場でも想定されておらず、ブラジルの金利市場に対するメッセージは少なかったと思われます。しかしながら、為替市場では8日、レアル高が見られました(図表1参照)。

このような中で、次のような点が注目されます。

1点目は、インフレ期待低下の可能性です。ブラジルのインフレ率はピークよりは低下したとはいえ依然10%に近い水準で推移しています(図表2参照)。一方で、インフレ期待の代替として10年ブレークイーブンレートを見てみると、ピークから既に3%程度低下しています。ブラジル中銀の声明ではインフレ期待は高いと述べられていますが、市場では低下が進んでいる可能性もあります。この点を確認する意味でも6月の四半期インフレレポートが注目されます。ただし、インフレ期待の代替としたブレークイーブンレートはあくまで参考である点には注意が必要です。

2点目は、ブラジル中銀の為替介入に対する姿勢に変化の可能性があることです。足元、ブラジル中銀はレアル高を抑えるための為替介入(レアル売り介入)を抑制している様子がうかがえます。ブラジルレアルは、商品価格の回復とルセフ大統領の弾劾裁判手続きの進展による改革期待を背景にレアル高傾向となっています。輸入物価の上昇に苦しんでいたブラジルにとって、ファンダメンタルの改善を伴うレアル高は悪い話ではないと思われます。

最後に、ブラジル中銀に指名されたゴールドファイン氏の政策方針も注目されますが、上院での証言などを考慮すると、為替介入には消極的で市場重視と見られます。就任後、インフレ対策を重視するのであれば、緩やかなレアル高は許容する姿勢なのかもしれません。

経済と政局次第ながら、商品市況の回復が続くようであれば、多少のレアル高は悪い話ではないのかもしれません。

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