MSCI、中国A株採用を見送った4つのポイント | ピクテ投信投資顧問株式会社

MSCI、中国A株採用を見送った4つのポイント アジア 中国

中国A株がMSCI新興国株価指数に組み入れられるとの期待が市場にあったものの、見送られました。ただ今回の決定は見送りであり、2017年の定期レビュー、もしくは改善が認められれば事前の組入れの可能性も言及されています。

中国A株:さらなるアクセス向上を求めMSCIは指数への採用を見送り

株価指数を開発・算出する米MSCI社は2016年6月14日(現地時間)、中国本土に上場している人民元建て株式(中国A株)のMSCI新興国株価指数への組入れを見送ると発表しました。A株を同指数に採用しない判断は今回で3度目(14年、15年)となります。MSCIは発表資料で、中国当局は売買停止や投資枠に関する措置を講じるなど市場開放へのコミットメントを行動で示してきた点を評価しつつも、投資家が市場アクセスのさらなる改善を求めていると述べ、中国は資本市場の自由化をさらに進める必要があると指摘しています。

どこに注目すべきか:中国A株、QFII、取引停止制度、事前承認

中国A株がMSCI新興国株価指数に組み入れられるとの期待は市場の一部にあったものの、見送られました。ただし今回の決定は見送りであり、2017年の定期レビュー、もしくは改善が認められれば事前(定期レビュー前)の組入れの可能性も言及されています。

まず、見送りを発表した後の中国株式(A株)市場の動向は落ち着いた動きとなっています(図表1参照)。14日(日本時間では15日)の発表の1週間ほど前にMSCIが記者会見を行わないと発表したことで、ある程度結果は想定されていた可能性があること、2015年の定期レビュー前後の変動からの学習効果(?)の可能性も考えられます。

では、なぜ採用が見送られたのか?MSCIは今回のレビューにあたり、中国A株採用で4つの課題を示唆していました。
(1)株式所有権の明確化
(2)適格外国機関投資家(QFII)制度の市場アクセス改善
(3)取引停止に関する制度の整備
(4)金融商品発売の際に国内取引所から求められる事前承認

MSCIはプレスリリースで(1)については問題は解決済みとしている以外は課題を指摘しています。

例えば、(2)については、中国当局がQFIIにおける営業日ごとの資金還流の容認、資格申請手続きの簡素化などが発表されたことは認めつつも投資家の評価は定まっておらず、評価に時間が必要としています。

また、MSCIが市場アクセスで最も懸念しているのがQFIIでは月次資金環流が前年純資産の20%までに制限されることにより、ファンドの解約対応に障害が出る恐れがあること、この点についてMSCIは改善を求めています。

(3)の取引停止に関してもMSCIは懸念を指摘していました。特に、中国の市場では株式の発行体が自発的に取引停止を求めるケースがあり、投資家から流動性リスクとして指摘されていました。ただし、中国当局は最近になって取引停止に関して新たな規制を公表しており、MSCIは2016年5月27日に上海・深センの両取引所が株式の売買停止を制限する新たな規制により取引所が投資家保護のため、市場の動きが激しい状況では上場企業による売買停止の申請を拒否することなどが含まれたことなどに歓迎の意向を示しています。

(4)のA株に関連する金融商品の導入に際して国内取引所から求められる事前承認についても未対応と評価されています。

今回、MSCIは中国A株の採用を見送りましたが、4つの課題へは対応済み、または取り組み中がほとんどで時間の問題とも見られます。反対に、中国当局が採用を焦って拙速な市場の自由化を進めるよりは、良いことなのかもしれません。

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