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英国の今後、分かっていることは少なく、分からないことはたくさん 欧州/ユーロ圏 英国

英国の国民投票後の混乱の理由の一つに、離脱後の方向性が不透明といったことがあげられます。そこで、まずは新たな情報をベースに英国のEU離脱の動きを占います。

英国国民投票後の動き:9月上旬までに新首相選出の流れに

国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決定した英国では2016年6月27日、既に10月の辞任表明をしていたキャメロン首相の後任選びを前倒しする格好です。保守党の議会における基本原則を定める1992委員会は、党首選を(複数候補の場合)7月にも開始、9月2日までに結論を下すよう提言しています(図表1参照)。

どこに注目すべきか:EU、EEA、EFTA、CETA

英国の国民投票後の混乱の理由の一つに、離脱後の方向性が不透明といったことがあげられます。そこで、まずは新たな情報をベースに英国のEU離脱の動きを占います。

まず、誰がリーダーかについては選出の手順を図表1に示しました。新首相の候補者は離脱派で元ロンドン市長のボリスジョンソン氏などが有力な候補となっています。

なお、キャメロン首相はEU首脳会議の出席も1日だけと、現状の打破に消極的で、離脱手続き開始となるリスボン条約50条を英政府が発動するのは新政権発足後と見られます。

次に、現在の混乱のもう一つの理由として離脱派がEU離脱の青写真を示していないこともあげられます。今後の動きを占うため、EUの同盟など関係を整理します(図表2参照)。

まず、欧州の基本の共同体は欧州連合(EU)です。例えばユーロは加盟国(19ヵ国)中で既に共通通貨として採用されていますが、EUは本来単一通貨を目指しています。

EUもよく見ると、人の移動を求めるシェンゲン協定、ユーロの採用の可否で4つのグループに分かれています。英国はユーロを採用せず、シェンゲン協定は結んでいません。拠出金などの義務があるとはいえ比較的自由な立場です。

次に、英国が離脱した場合に参照が期待される共同体を見ると、1つ目はノルウェー型でEEA(図表2参照)を例としたものです。ノルウェー型ではシェンゲン協定を結ばずにEU市場へのアクセス(単一パスポート)は確保できる見込みですが、EU規則と同等のEEAを遵守する必要もあり、現状との違いが少ないのが懸念です。スイス型(図表2のEFTA)はEUと数多くの個別協定を締結し、市場へのアクセス確保を目指しますが、膨大な手続きが懸念されます。カナダ型(図表2のCETA)と呼ばれるタイプはある程度EU市場へのアクセスが確保できる一方、EU予算への拠出金は含まれていないなど経済優先の協定という位置づけです。いずれの協定も一長一短で、どのタイプを目指すかを推し量るのは困難ですが、いずれにせよ締結まで長い道のりが予想され、英国経済への相当の負担が長期的に想定されます。

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