S&Pがオーストラリアの格付け見通し引き下げ | ピクテ投信投資顧問株式会社

S&Pがオーストラリアの格付け見通し引き下げ オセアニア

格付け会社S&Pは、2016年7月6日にオーストラリアの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げました。見通し引き下げの背景には財政健全化の遅れがあり、今後誕生する新政権の取り組みが注目がされます。

オーストラリア:S&Pが格付け見通しを「ネガティブ」に変更

米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は2016年7月6日、オーストラリアの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。なお格付け自体はAAAで据え置いています。

S&Pは声明の中で、今回の見直しの背景としてオーストラリアの財政健全化の遅れを挙げています。なお、フィッチやムーディーズはオーストラリアの格付けをAAA格としており、見通しについても、現時点では安定的としています。また、オーストラリアの格付けを最上級のAAAから引き下げる確率については、向こう2年間で3分の1程度と述べています。

どこに注目すべきか:鉄鉱石価格、財政赤字縮小策、今後の政権運営

今回の格付け見通しの引き下げは、2016年7月2日に実施されたオーストラリア総選挙の最終結果が確定していない(7月8日現在)中での発表となりました。市場では見通しの引き下げはある程度見込まれていましたが、選挙の最終結果が確定していない中での公表はややタイミング的に早かったという印象です。

それでも市場への影響は限定的で、為替市場では公表直後に一時的に豪ドルが売られましたが、その後、急速に回復、国債市場ではほぼ影響は見られず、先進国の国債利回りが低下する中で、オーストラリアの利回りも低下しました(図表1参照)。S&Pの声明から見通しの引き下げに至った要因を振り返ります。

先ずS&Pは、オーストラリアの主要輸出品である鉄鉱石の価格が2017年にかけて1メトリック・トンあたり20ドル付近へと下落する展開を想定している模様で、オーストラリア政府の想定や市場予想に比べ低水準での推移を見込んでいます。S&Pがやや厳しい見方をしている印象です。

次のポイントはオーストラリアの財政赤字問題です。S&Pは、議会が一般政府セクターの財政赤字を大幅に縮小させ、2020年代初頭までに財政均衡が達成できないと判断した場合には格下げもあり得るとしています(図表2参照)。

オーストラリアでは総選挙が7月2日に投票が行われましたが、未だに開票作業が続いています。遅れの原因はオーストラリアは投票が義務化されているため、郵便による投票など様々な投票方法が認められていることが一因です。開票作業の遅れは格付けの評価には影響無いと見られますが、問題なのは今回の選挙では、与野党が伯仲しており、新政権が誕生した後も、政権が不安定となる点には注意が必要です。

今回の見通しの変更は評価基準に厳しい面もあり、影響は限定的となる可能性もあります。ただし他の格付け会社も、今後、オーストラリアに対し厳しい目を向ける可能性がある点には注意が必要と考えます。

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