中国経済、2016年後半の課題 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国経済、2016年後半の課題 中国 アジア

中国の6月のドル建の輸出入はいずれも前年割れとなる一方、人民元建輸出が前年同月比でプラスを維持しました。中国当局が目指す2016年のGDP成長率目標を達成する上で、消費や投資に加え貿易の寄与にも注意が必要です。

中国6月貿易統計:輸出入ともにドル建は予想以上の減少

中国税関総署が2016年7月13日に発表した6月のドル建の中国輸出は前年同月比マイナス4.8%と、市場予想(マイナス5.0%)並みとなったものの、前月(マイナス4.1%)を下回りました。輸入はマイナス8.4%と市場予想(マイナス6.2%)、前月(マイナス0.4%)を下回りました(図表1参照)。

なお、人民元建て貿易統計によれば、輸出は前年同月比で+1.3%と市場予想(+0.3%)、前月(+1.2%)を上回りましたが、輸入はマイナス2.3%と市場予想(マイナス1.2%)、前月(+5.1%)を下回りました。

どこに注目すべきか:
中国貿易収支、人民元、過剰生産、債務

中国の6月のドル建の輸出入はいずれも前年割れとなり、国内外の需要の弱さを示唆する内容でした。ただし人民元建では輸出が前年同月比でプラスを維持しており、恐らく人民元安を反映したものと見られます。中国当局が目指す2016年のGDP(国内生産)成長率目標(6.5~7.0%)を達成する上で、消費や投資に加え、貿易の寄与にも注意が必要です。

中国の6月の貿易統計を見ると、ドル建は輸出入とも軟調な動きで、外需、内需共に回復の鈍さが示唆されました。ただし、人民元建で輸出を見ると前年同月比でプラスを確保しており、背景として人民元安が輸出を下支えしたと見られます。

輸入は人民元建でもマイナスで、貿易収支はプラスを確保する動きとなったことから、貿易収支(純輸出)は4-6月期のGDP成長率に小幅ながらプラス寄与する見込みです。

消費主体の成長へと構造改革を進める中国ではGDP成長率は長期的に低下傾向ですが、急激な落ち込みは投資の増加などで回避されてきました。しかし、例えば、1-3月期に成長率を支えた固定資産投資は足元落ち込んでおり(図表2参照)、4-6月期の成長に不安がある中、貿易収支がプラス寄与となれば固定資産投資落ち込みの緩和も期待されます。

中国当局は過剰債務・過剰生産への対応として、その元凶とも言われる国有企業の改革を進める必要があります。6月末に中国の国有鉄鋼企業2社が再編協議入りを表明するなど、過去、積極的とは言いがたい国有企業改革にも着手しています。中国当局の最近の発言から過剰生産などへの対応は続ける意向と見られます。しかし中国の体制では雇用の確保も求められており、成長目標の達成は、ある意味、改革の必要条件の性格も帯びていると見られます。

こうした中、中国当局は景気対策を今後も繰り出すものと見られ、金融緩和姿勢は維持することに加え、やや頭打ちの投資も年後半は長江下流の洪水の復興投資などが見込まれます。

また資本逃避が起きては元も子もありませんが、緩やかな人民元安は輸出回復に向け許容するものと見られます。

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