中国、2つの製造業PMI | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国、2つの製造業PMI アジア 中国

中国の製造業PMIは政府版と民間版の財新のPMIが公表されています。政府版PMIは国営企業など大企業も含め幅広くカバーされている一方、財新のPMIは民間の中小企業が多く、景気に対する感応度は高い傾向があります。

中国7月製造業PMI:政府PMIは活動の縮小示すが民間PMIは拡大を示唆

中国国家統計局が2016年8月1日発表した7月の(政府版)製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.9と、6月(50)、市場予想(50)を下回りました(図表1参照)。中小企業が製造業PMIの足かせとなりました。同時に発表された7月の非製造業PMIは53.9と6月(53.7)並みの数字を確保しました。

一方、財新伝媒とマークイット・エコノミクスが別途発表した7月の財新製造業PMIは50.6と、6月(48.6)、市場予想(48.8)を上回りました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:
中国製造業PMI、国営企業、インフラ投資

中国の製造業PMIは政府版と民間版ともいえる財新のPMIが公表されています。政府版PMIは国営企業など大企業も含め幅広くカバーされている一方、財新のPMIは民間の中小企業が多く、景気に対する感応度は高い傾向があります。

一連の製造業PMIの数字から、次の点に注目しています。

まず、中国国家統計局が公表している政府版の製造業PMIが49.9と50を下回りました。中国国家統計局は大規模洪水を原因としてあげていますが、他にも原因がありそうです。

例えば、サブ指数で輸出向け新規受注(輸出受注)を見ると7月は大きく低下しています。人民元安のプラスの恩恵が見られない中、英国の欧州連合(EU)離脱がマイナスの影響を及ぼした可能性があります(図表2参照)。

サブ指数で50を下回っている項目として雇用を見ると、6月に比べ7月は上昇していますが水準は共に50を下回っています。中国当局が過剰生産、設備への対応を進めていると見られる中、マイナス要因と見られます。

ただし、製造業PMIが急落を回避できている背景に、中国当局がある程度の景気支援を続けているためと見られます。

製造業PMIのサブ指数の規模別指数では財政政策の恩恵を受けやすいと見られる国営企業を含む大型企業のPMIが51.2と堅調な一方、支援の恩恵が少ないと見られる中小企業PMIは46.9と明暗が分かれています。国営企業と特に中小の民間企業の格差が示唆される内容です。中国当局も民間のてこ入れを課題としている模様です。

しかし、中小企業を多く含むといわれる財新製造業PMIが7月は50.6と改善しました。変化の兆しとして期待したいところですが、単月の伸びだけで安心はできないと思われます。例えば、民間が活況であれば資金需要などが高まるはずですが、融資の伸びなどは平均してみると鈍い伸びに止まると見ています。

中国の2016年後半の見通は、景気支援は徐々に減る分野もあると見込むものの、先の洪水被害に対するインフラ投資が見込まれ、成長を下支えすると見込みますが、自立的な成長を回復するには、もう少し時間がかかると思われます。

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