ブラジルレアル、もし現在の為替政策が効かなかったら | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジルレアル、もし現在の為替政策が効かなかったら 中南米 ブラジル

ブラジルレアルは、対ドルでは大幅に上昇しています。商品価格の回復と米利上げ時期の後退という要因に加え、ブラジル政局の安定化もレアルの下支え要因と見られ、介入のみによるレアル高阻止は荷が重いかもしれません。

ブラジルレアル通貨スワップ:為替介入の効果に一服感の可能性

ブラジル中銀は2016年8月11日からリバース通貨スワップ入札(レアル売り・ドル買い介入に相当)の規模を従来の1万枚(5億ドル程度)から1.5万枚(7.5億ドル程度)へ拡大させました。規模拡大後はレアル安が進行しましたが、15日のレアルは対ドルでわずかながら上昇、リバース通貨スワップの影響が薄れ始める状況が見られました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:リバース通貨スワップ、弾劾裁判、政策金利

ブラジルレアルは、円・レアルでは円高が進行した分やや実感しにくいものの、対ドルでは大幅に上昇しています。商品価格の回復と米利上げ時期の後退という要因に加え、ブラジル政局の安定化もレアルの下支え要因と見られ、介入のみによるレアル高阻止は荷が重いかもしれません。

レアルの動向を示唆する伝統的な説明変数である商品価格と米国金利は2016年、概ねレアル高を示唆しています。例えば、商品価格は2月頃から回復傾向であり、次回の米国利上げ時期についても経済指標により前後することはあっても、概ね後ズレしていたこともレアル高要因と見られます。

次に、昨年あたりからのレアル安要因と見られるブラジルの不安定な政局にも足元、安定化の兆しが見られます。ブラジルの政局を不安定化させたスキャンダルの全容解明は程遠い状況であるものの、少なくともルセフ大統領の退陣が政局の混乱に終止符を打つ象徴的なイベントに変容しつつある状況です。その様な中、ルセフ大統領の弾劾裁判への道のりは着実に前進しています。例えば、8月10日のブラジル上院でルセフ大統領の弾劾審議開始を賛成59、反対21の大差で可決(弾劾審議開始は単純過半数の賛成で可決)したことから、8月末から9月はじめと見られる上院での弾劾投票で3分の2の賛成でルセフ大統領が失職、テメル大統領代行が正式に大統領に就任する流れが視野に入っています。ブラジル中銀の為替介入も審議開始を受けたレアル高を意識したと見られますが、今後の為替介入の効果は不透明です。

テメル大統領代行は、12日に現地紙でレアル変動に対する懸念を表明、安定化を目指す意向を示していますが、口先ではレアル高の反転材料としては力不足かもしれません。

しかし、ブラジルの政策金利は14.25%と高く、利下げによるレアル安という手段は残されていると見られます。ただし、インフレ率が低下傾向とはいえ、インフレ率目標の上限を上回る状況での利下げは抵抗が大きい可能性もあります(図表2参照)。

それでも、インフレ率の内容を見ると上昇要因は主に食品等である点が季節要因であるならば利下げを妨げる要因とはなりにくいかもしれません。また、最近政策金利を据え置いたチリなど南米の国の一部に金融緩和模索の動きも見られます。

米国の金融政策や商品市場次第ながら、年末に向けレアル安定の手段としてブラジルの利下げも考えられると見ています。

 

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