ブラジル、消費者物価は市場予想通りだが、利下げは先送りの見通し | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル、消費者物価は市場予想通りだが、利下げは先送りの見通し 中南米 ブラジル

ブラジルの8月拡大消費者物価指数は緩やかながら低下傾向を示していますが、サービス価格などにインフレ懸念が根強く残っており、政策金利については当面、据え置かれる可能性もあると見ています。

ブラジル8月の消費者物価指数:全体の動きは市場予想通りだが、食料価格は低下

ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は前年同月比で+8.95%上昇と、前月(+8.93%)および市場予想(+8.97%)と概ね一致する結果となりました。依然として高水準ではありますが、上昇率が10%を超えていたピーク時に比べれば非常に緩やかながら低下傾向となっています(図表1参照)。なお、消費者物価指数を項目別に前月比で見ると、食品価格は前月に比べ上昇率が低下した一方、サービス関連のヘルスケアや教育などが根強く上昇傾向を示していました。

どこに注目すべきか:
インフレ懸念、実質賃金、金融政策据え置き

ブラジルをはじめ一部の南米の国々は、米国の金融政策(2015年12月に利上げを実施)に加え、食料品価格などにけん引された高インフレが足かせとなり、金融緩和を躊躇している状況です。ブラジルの物価データでは、食品価格については低下の兆しが見られたものの他の項目にインフレ懸念が残り、利下げ実施にはもう少し時間が必要と思われます。

8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)を詳しく見てみると、天候不順の影響などを受け上昇傾向であった食品価格に落ち着きの兆しが見られました。一方で、サービス関連のヘルスケア、教育など反対に上昇する部門も見られました。また公共交通など政府の管理価格に関連する項目は概ね横ばいと見られます。食品価格の落ち着きは今後の見通しを明るくするもので、レアル高傾向が維持されれば輸入価格の下落も期待され、今後の物価下押し要因となる可能性があります。しかし、サービス価格などにはインフレ懸念が根強く残っており、物価指数全体では低下を妨げる要因となりそうです。

次に、インフレ率がブラジル国民の生活に与える影響を振り返ります。ブラジルの実質賃金(名目賃金をインフレ上昇分で調整)を見てみると、ブラジルのインフレ率が大幅に上昇した時期から低下し、前年同月比でマイナスとなっています。

手にする賃金の伸びはインフレ率を下回る水準であるというイメージであり、物価上昇は個人消費へ悪影響を与えることが懸念されます(図表2参照)。加えて、ブラジルは失業率も上昇したため国民の生活への懸念や不満も高いと見られます。

したがって、ブラジルは国として様々な問題を抱えますが、インフレ率引き下げの優先順位は高いと見られます。 したがって、ブラジル中銀は景気を踏まえれば食料品価格の低下だけでなく、他の部門の価格動向を踏まえ金融政策を運営すると見られ、当面は据え置きを維持する可能性もあると見ています。

 

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