中国製造業PMIが50を超えた意味を考える | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国製造業PMIが50を超えた意味を考える アジア 中国

中国製造業PMIが穏やかな拡大と縮小を繰り返しながら安定的に推移している状況が示されたと見られます。過剰設備等の削減による短期的な景気へのマイナス分を埋め合わせるための政策対応に微調整も想定されます。

中国8月の製造業PMI:中国政府PMIは市場予想を上回り、景気の拡大を示唆

中国国家統計局が2016年9月1日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.4と7月の49.9、市場予想の49.8を上回りました(図表1参照)。同時に発表された8月の非製造業PMIは53.5で7月の53.9を下回りました。一方、財新伝媒とマークイット・エコノミクスが発表した8月の製造業PMIは50.0と、7月の50.6から低下、市場予想(50.1)を下回りました。なお、PMIは50が経済活動の拡大・縮小の目安となります。

どこに注目すべきか:中国製造業PMI、過剰設備、財政政策

今回のデータでは、中国当局が過剰設備等の削減に取り組む中、製造業PMIが穏やかな拡大と縮小を繰り返しながら安定的に推移している状況が示されたと見られます。過剰設備等の削減による短期的な景気へのマイナス分を埋め合わせるための政策対応に微調整も想定されます。

PMIデータから想定される注目点は以下の通りです。

1点目は、政府PMIの内容をサブ指標で確認すると新規受注PMIが好調であることなどからPMIの改善が維持される可能性もあります。一方で雇用PMIは50を下回っており、過剰生産削減への取り組みの影響をうかがわせます。なお小規模企業の動向を反映すると見られる財新製造業PMIにおいても生産と新規受注は拡大を維持しています。

2点目は景気下支え策に微調整が見込まれることです。中国当局が直面する課題は、過剰設備等の削減を進める一方、削減による景気へのマイナスを埋め合わせる政策対応を上手くバランスさせる必要があることです。PMIの内容から、上昇が目立った分野では政策対応を多少減らすことが見込まれます。例えば、上昇が続く住宅市場(図表2参照)では既に住宅購入規制が一部の地域(最近ではアモイ市や武漢など、3月には上海など)で実施されています。

3点目は市場の反応です。株式市場では中国国内で取引される上海総合指数などは政策期待の後退を懸念したとも見られる動きでマイナスとなりましたが、香港で取引され中国本土株からなる中国企業株(H株)は8月PMIの改善は中国経済安定化の兆しと受け止めた模様で上昇しています。

どちらが正しいかは神のみぞ知るところですが、中国の財政状況からすると、財政政策の温存は、悪い話ではないかもしれません。中国の歳入は足元やや伸び悩む中、歳出には若干の拡大傾向も見られるからです。

注意点として、今回のPMIを受けた政策対応の想定される変化は微調整であって、大胆な変更までは想定する必要は無いと思われます。例えば、住宅購入規制も上昇率の高かった都市に限定している点に注目しています。であるならば、市場への悪影響を多大に見込む必要は少ないように思われます。

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