ロシア、目先の利下げ期待の後の課題 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ロシア、目先の利下げ期待の後の課題 欧州/ユーロ圏 ロシア

ロシアのインフレ率の低下傾向が続いていることから、ロシア中銀が早ければ9月の金融政策会合で利下げをする可能性もあると見られます。ただし、金融緩和を今後も続けるためには財政不安を解消する必要があると思われます。

8月ロシア消費者物価指数:ルーブル高などを受け低下傾向続く

ロシア連邦統計局が2016年9月5日に公表した8月の消費者物価指数は前年同月比6.9%と市場予想(6.9%)に一致し、前月(7.2%)を下回りました(図表1参照)。2015年前半にはルーブル急落と西側諸国の経済制裁による食品輸入の一部停止を受け16%台にまで上昇したロシアのインフレ率に落ち着きが見られます。インフレ率低下の主な背景は年初来対ドルで上昇しているルーブル高で、主な新興国通貨の中ではブラジルレアルなどと共に高い上昇率となっています。

どこに注目すべきか:
政策金利、外貨準備高、西側制裁

ロシアのインフレ率の低下傾向が続いていることから、ロシア中銀が早ければ9月の金融政策会合で利下げをする可能性もあると見られます。ただし、金融緩和を継続するには財政不安の解消も進める必要があると思われます。

ロシアのインフレ率が低下した背景は主にルーブルの反転と見られます(図表2参照)。2016年年初頃から原油価格の底打ちに伴う格好でルーブルが上昇しました。

ただし、インフレ率の低下傾向にもかかわらず、足元、実質小売売上高は前年同月比でマイナス5%近辺での推移となっています(図表2参照)。インフレ率上昇時には小売売上が悪化した分、インフレ率下降時の小売売上の反転にはやや回復の鈍さも見られます。理由として、金利が高いことからロシア消費者の所得が貯蓄に回っている(足元、若干貯蓄率は低下していますが)可能性があります。したがって、消費の喚起策としても利下げの必要がありそうです。

しかしながら、ロシアが積極的な利下げを進めるにはルーブルの動向が大きな鍵を握ると考えています。

まず、利下げによるルーブル安への懸念です。ロシアのインフレ率が低下したとはいえ、ロシア中銀が目標とする2017年末で4%に達するにはルーブルの安定が求められます。急激な利下げによるルーブル安の進行に注意が必要と思われます。

2点目は対外ポジションです。ロシア経済は石油に依存しており、現状の原油価格は財政収支にとってマイナス要因と見られます。このような中、対外ポジションの目安として外貨準備高の推移を見ると2015年の最悪期は脱したものの、依然として低水準での推移が続いています(図表2参照)。通常であれば、債券発行などで資金調達することで対応できますが、ロシアは西側諸国の制裁で債券発行による外貨調達が困難となっています。今年5月にドル建債を発行した際も西側の機関投資家はロシア国債の投資に消極的で、消化に苦労した模様です。原油価格が急回復すればロシアの財政懸念は解消するのでしょうが、あまり現実的な解決策とは考えにくい状況です。

ロシアは利下げを検討する環境となってきましたが、継続性の鍵は、原油価格とルーブルの安定と見ています。

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