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ようやく改善した中国貿易統計だが アジア 中国

中国の8月の貿易統計は輸出、輸入共に改善する動きを見せたことは中国の経済成長に対し当面は安定化要因として寄与が期待されます。ただし、貿易が改善した要因を振り返ると、持続性には気がかりな点も見られます。

8月の中国貿易統計:ドル建輸入は1.5%増と2014年10月以来のプラスに転じる

中国税関総署が2016年9月8日に発表した8月のドルベースの貿易統計によれば、輸出は前年同月比マイナス2.8%と市場予想(マイナス4.0%)、前月(マイナス4.4%)を上回りました。

また、ドルベースの輸入は前年同月比1.5%増と市場予想(マイナス5.4%)、前月(マイナス12.5%)を上回りました。2014年10月以後初めて増加となりました(図表1参照)。

元建てで見ると人民元安の効果で輸出は前年同月比5.9%増と前月、市場予想(共に2.9%増)を上回り、輸入は10.8%増と市場予想(0.7%増)、前月(マイナス5.7%)を上回りました。

どこに注目すべきか:実質実効レート、輸入数量、内需拡大

中国の8月の貿易統計は輸出、輸入共に改善する動きを見せたことは中国の経済成長に対し当面は安定化要因として寄与が期待されます。ただし、貿易が改善した要因を振り返ると、持続性には気がかりな点も見られます。

まず、人民元安が輸出の回復等にようやくプラス貢献したと見られます。人民元の実質実効レート(貿易額、インフレ率で調整した為替レート)は2015年中旬から前年同月比で人民元安が見られます(図表2参照)。そこから半年ほど遅れて新規輸出受注PMI(製造業購買担当者景気指数)が上昇に転じています。人民元安が輸出競争力を改善させた可能性が考えられます。

2点目は、コモディティの輸入数量は概ね上昇傾向を維持したことです。上昇もしくは上昇傾向を維持したコモディティは例えば原油、鉄鋼石などです。中国政府の景気てこ入れ策を受け建設セクターを中心に国内需要が回復したことによる、輸入の改善が見られます。ただし、銅のように輸入の減少傾向が続いているものもあり、力強さに欠ける印象です。

3点目は輸出相手国に広がりが見られることです。中国の輸出は従来主にアジアの国々との取引は底堅い動きを見せていましたが、欧米や日本への輸出は軟調な面も見られました。しかし、8月の輸出は日欧向けは前年同月比がプラスに転じ、米国向けもマイナス幅を縮小させています。

中国の貿易統計が改善したことは、中国経済の安定に寄与する材料と思われますが、持続性に気がかりな点もあります。

人民元安の進行は資本流出の懸念を高める点が気になります。今の所、今年7月以降、人民元は安定していますが、更なる人民元安には注意も必要です。次に、中国内需の回復は当局の景気てこ入れ策に依存している面がありますが、持続的な成長が続くかには注視も必要です。

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