ブラジルレアルの変動要因を精査する | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジルレアルの変動要因を精査する 中南米 ブラジル

ブラジルレアルは13日、政局不安などを背景に下落しましたが、ブラジル経済は改善傾向で、利回り追求の動きを受けたブラジルへの資金流入も期待され、注視は必要なものの大幅なレアル安進行の懸念は低いように思われます。

ブラジルレアル:レアル安を受け、ブラジル中銀がリバース通貨レポの入札を縮小

ブラジルレアルは2016年9月13日に対ドルで下落し、1ドル=3.3レアル台と、前日に比べ2%程度レアル安となりました(図表1参照)。レアル安の背景は主に2つで、1つ目は原油価格が下落したこと、2つ目はブラジル政局不安が根強く残っていることです。ブラジル中銀はリバース通貨スワップ入札(レアル売り・ドル買い介入に相当)の規模を従来の1万枚(5億ドル程度)から5千枚(2.5億ドル程度)へ縮小させ、レアル安進行を抑制する姿勢を示しています。

どこに注目すべきか:原油需給均衡、政局不安、資本流入

ブラジルレアルは原油安と政局不安などを背景に下落しました。しかしながら、ブラジルの経済指標は改善傾向を続けていることや、利回り追求の動きを受けたブラジルへの資金流入は継続も期待され、当面注視は必要なものの大幅なレアル安進行の懸念は低いように思われます。

レアル安の要因をあげるとすると、原油安、ブラジル政局不安、米国利上げ懸念などがあります。13日の為替市場ではこれらのレアル安要因が同時に現れたケースと見られます。

まず原油価格下落ですが背景の一つは国際エネルギー機関(IEA)が13日に公表した月報で原油の供給過剰状態が2017年前半まで続くとの見通しを示したことです。わずか1ヵ月前の8月月報では2016年後半に原油の需給が均衡する可能性を示唆していただけに、市場はIEAの見通しに失望した格好です。ただし、2015年の原油下落時のように原油価格の底が見えないという状況とは異なっていると見られます。

次に、政局の不安ですが、罷免となったルセフ大統領に対する弾劾を主導したことで知られるクーニャ下院議長がスイスの銀行口座の存在を否定した虚偽の証言などを理由に下院議員資格を剥奪されました。ルセフ氏と共倒れとなった格好です。興味深いのはブラジル中銀の対応で、ルセフ氏の弾劾審議開始が上院で可決した8月10日にはレアル高、今回はレアル安への対応を為替市場で行っています。政局不安による通貨の動きには対応する姿勢にも見受けられます。

最後に、米国の9月の利上げの可能性は後退したものの年内利上げの可能性が見込まれる中、米国の利上げはレアル安要因と見られます。13日の米国利回り上昇がレアルにマイナスとなった可能性も考えられます。ただし、ブラジルの経済状況は改善しており、ブラジルへの資本流入も継続するものと思われます。例えば、ブラジルのインフレ率は低下傾向で、それに伴い小売売上高(個人消費)に底打ちが見られます(図表2参照)。レアル安の要因をつぶさに見ると、当面注視は必要なものの大幅なレアル安進行の懸念は低いように思われます。

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