英中銀とECBの社債購入の微妙な違い | ピクテ投信投資顧問株式会社

英中銀とECBの社債購入の微妙な違い 欧州/ユーロ圏 英国

欧州中央銀行(ECB)の社債購入に続き、英中銀も9月27日から社債購入を開始、ユーロ圏、英国の社債利回りが共に低水準で推移することが見込まれますが、ユーロ圏と英国の社債購入のプロセスには違いも見られます。

英中銀:政策金利を据え置くも、年内の追加利下げ可能性を依然示唆

イングランド銀行(英中銀)は2016年9月15日、金融政策会合を開催し、政策金利を過去最低の0.25%で据え置くことを全会一致で決めました。8月に発表した国債と社債の購入プログラムの継続も今回は全会一致での決定となりました。欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票後の英国経済指標は予想より良好なものの、8月の政策パッケージ投入後の状況を見守っている段階で、年内に追加利下げが依然あり得るとの認識も示しています。なお、社債購入プログラムは9月27日より投資が開始される予定です。

どこに注目すべきか:CSPP、CBPS、スプレッド、投資可能社債

欧州中央銀行(ECB)の社債購入(CSPP)に続き、英中銀も9月27日から社債購入(CBPS)を開始する見込みです。ユーロ圏、英国の社債利回りが共に低水準で推移することが見込まれますが、ユーロ圏と英国の社債購入のプロセスにはちょっとした違いも見られます。

まず、ユーロ圏と英国の社債のスプレッド(対国債利回り格差)をみると、3月にECBが社債購入を公表して以来、ユーロ圏に加え、英国の社債スプレッド(指標国債の利回りの上乗せ分)も低下しています(図表1参照)。

ユーロ圏と英国の社債プログラムの内容を見ると、銀行セクターなどが購入できないこと、格付けは投資適格を少なくとも1つの格付け会社から取得していることなど、多くの点で共通しています。しかし主な違いが2つあります。

1つ目は、英国の社債購入では「英国内でビジネスを行い、経済活動に重要な貢献をしていること」というある意味あいまいな条件を課しています。英中銀が公表した投資可能な銘柄リストを見ると、アップルやBMW、メルセデス・ベンツなど英企業以外であっても(恐らく雇用などで)『重要な貢献』をしている企業は投資可能リストに選ばれています。一方、ECBの社債購入プログラムであるCSPPでは、ユーロ圏の企業、または米国など海外企業の場合はユーロ圏内に起債の子会社が必要とされています。例えば、アップルは既存の社債は米国発行であるため、英国の社債購入プログラムでは購入対象でしたが、ECBはアップルを購入対象とはできない模様です。英国は重要な貢献という尺度で投資可能を判断する、悪く言えばあいまい、よく言えば合理性重視の姿勢です。一方、ECBはよく言えばルールベース、悪く言えば杓子定規な判断基準となっています。恐らく、多数の国家の集合体であるECBには、英国のような裁量的な基準は加盟国間の合意間の調整が難しいためルールベースとしたのかも知れません。

2つ目は、非投資適格債(ハイイールド債)の組入れです。格付け基準は英国もユーロ圏も同様ですが、英国の場合、投資可能社債リストを作成する過程で安全性のチェックがあり、恐らくこのことが理由で、英中銀の購入可能リストにハイイールド債として取引される銘柄は見当たりません。一方でECBの社債購入ではテレコム・イタリアのように格付け会社1社のみ投資適格を取得(他は非投資適格を格付け)している銘柄でもルール的には取得可能で、CSPPでは購入された模様です。

同じ社債購入でも、内容を比べると合理性を重んじる英中銀と、ルールに厳格なECBという違いが見出されます。

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