ブラジル下院の可決は、金融政策に響くか? | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル下院の可決は、金融政策に響くか? 中南米 ブラジル

今日のヘッドライン2016年9月28日号でブラジルのインフレレポートを紹介、利下げの条件に財政改革、食料品価格並びにサービス価格の低下をあげましたが、財政改革に前進が見られ利下げ期待を高める可能性も考えられます。

ブラジル下院:歳出関連法案を可決、テメル大統領の財政改革が1歩前進

ブラジル下院は2016年10月10日、国の歳出に上限をかける歳出上限関連法案を本会議において550議席中、賛成366、反対111で可決しました。可決に必要な賛成票は308です。

上院の審議入りの前に2回目の下院採決が法律で定められています。同法案は、連邦政府支出の伸び率を最大で前年のインフレ率に抑えることで、急増し続ける歳出の抑制を狙うものであり、憲法改正を伴うことから上下院で3分の2の賛成が必要となります。まだ上院での審議を残すなど今後、紆余曲折する可能性もありますが、テメル大統領が財政構造改革に向けた重要なステップを踏み出しました。

どこに注目すべきか: 歳出上限法案、食料品価格、地方議会選挙

今日のヘッドライン2016年9月28日号でブラジルのインフレレポートを紹介、利下げの条件として財政改革と食料品価格並びにサービス価格の低下をあげました。今後の展開を見守る必要はあるものの、財政改革の前進は、利下げ期待を高める可能性も考えられます。

まず、市場の利上げ期待を銀行間翌日物金利先物で見ると9月後半にインフレ率上昇に鈍化の兆しが見られたことから、利下げを織り込む動きが見られ始めました(図表1参照)。

インフレ率を見ると、物価指数の構成ウェイトで25%以上を占める食品が低下しており、ブラジル中銀がインフレレポートで示した条件の1つに改善が見られます(図表2参照)。

次に、先の3条件の中でもっとも取り扱いが厄介と見られるのが財政改革です。ブラジルが取り組む財政改革は歳出を実質ベース(インフレ率以下)で今後20年間凍結するという歳出上限法案で、その後には、ブラジルの過剰ともいわれる年金制度を改革する法案も控えています。10月10日は歳出上限法案に対し下院で最初の採決が可決されただけという冷めた見方もあり、今後の動向に注視は必要です。

それでも、少なくとも法案が賛成多数で採決されたことは期待も感じさせられる内容です。兆候は10月月初のブラジル地方選挙に見られました。ルセフ前大統領率いる労働者党は大敗しました。一方、テメル大統領属するブラジル民主運動党はリオデジャネイロを落とすなど、根強い批判も見られましたが、連立与党全体では統一地方選挙で勝利を確保した格好です。

地方選の勝利は、可決が危ぶまれていた歳出上限関連法案が下院で賛成多数となった背景の1つになったとも見られます。

もっとも、前政権への嫌悪感が現在の連立政権を支える構図の中で、最終的に構造改革が進むのか注視は必要です。

ブラジル中銀が今回の採決をどの程度評価するかは不明ですが、利下げの可能性は以前より高まったと見られます。

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