中国貿易データ、即断即決は避けるべきと見る | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国貿易データ、即断即決は避けるべきと見る アジア 中国

中国の9月の貿易統計では輸出が大幅にマイナスとなったことなどは、中国の懸念材料として注意は必要です。しかしながら一時的なマイナスとも考えられる要因もあり、他のデータと総合的に判断する必要があると見ています。

中国9月貿易統計:輸出は市場予想を大幅に下回るなど軟調

中国税関総署が2016年10月13日に発表した9月のドル建の貿易統計によれば、輸出は前年同月比マイナス10%と前月(マイナス2.8%)、市場予想(マイナス3.3%)を下回りました。輸入も前年同月比でマイナス1.9%と前月(+1.5%)、市場予想(+0.6%)を下回りました(図表1参照)。貿易収支は420億ドルと市場予想の530億ドルを下回り、8月の521億ドルから貿易黒字が縮小しました。

どこに注目すべきか:新規受注PMI、半期為替報告書、監視リスト

中国の9月の貿易統計では輸出が大幅にマイナスとなったことなどは、中国の懸念材料として注意は必要です。しかしながら一時的なマイナスとも考えられる要因もあり、次の点を踏まえた判断が必要と見ています。

1点目は、他のデータとの整合性を見ると、中国の輸出は悪化が避けられる可能性も考えられます。例えば、輸出データと連動性の高い新規輸出受注PMI(製造業購買担当者景気指数)を見ると、9月は50.1と改善しており(図表1参照)、輸出データと異なる動きとなっています。異なる動きの背景として、中国で9月月初に開催されたG20(20カ国・地域首脳会議、杭州サミット)に伴う生産調整や中秋節などカレンダー要因が貿易データに影響を与えた可能性があります。

2点目は人民元の動向が輸出を下支えする可能性です。人民元は対ドルで人民元安傾向となっているものの(図表2参照)、9月の輸出がマイナスとなったことから、人民元は輸出競争力を維持する水準でないのかも知れません。または、通貨安の効果は時間的な遅れを伴うことから今後効果が表れるのかもしれません。いずれにせよ、競争力の維持には人民元安水準が維持される必要があります。この点、10月14日に米財務省が公表した「半期為替報告書」で中国への評価が改善したことは当面、人民元が通貨高に転じるリスクを低下させる可能性もあります。半年に1度公表される同報告書は前回から3つの基準(対米大幅貿易黒字、経常黒字対GDP(国内総生産)比率、為替介入)のうち2つに該当すると監視リスト入りとなります。中国は日本、ドイツなどと並び、前回監視リスト入りしましたが、今回は1項目だけと米国の見方が改善しています。特に人民元の変動を抑えるために外貨準備を用いていることを評価しています(図表2参照)。また中国は経常黒字の対GDP比率は基準となる3%を下回っています。秩序ある人民元安ならば、政治的な圧力は避けられそうです。

最後に、中国の内需に連動する傾向がある輸入も軟調でしたが、9月の生産者物価指数がプラスに転じるなど改善も見られます。輸入についても他のデータと総合的に判断する必要があると見ています。貿易データは単月の変動が高い傾向もあり、今回の数字だけで悲観的に見る必要はないと思われます。

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