ロシア、せっかくの見通し引き上げも | ピクテ投信投資顧問株式会社

ロシア、せっかくの見通し引き上げも 欧州/ユーロ圏 ロシア

フィッチが見通しを引き上げたことで、ロシアが主な格付け会社3社すべてから非投資適格となる懸念は後退しましたが、ロシア国債価格は下落しています。市場は格付けよりも、地政学リスクを懸念していることが浮き彫りとなりました。

ロシア格付け見通し:フィッチがロシアの見通しを安定的へと引き上げ

フィッチ・レーティングス(フィッチ)は2016年10月14日、ロシアの格付け見通しを「弱含み(ネガティブ)」から「安定的(ステーブル)」に引き上げました。格付けは自国通貨建て、外貨建て共にBBB-に据え置いています。フィッチは声明で、見通しを引き上げた理由としてロシアが原油価格の下落に対し為替の変動相場制の導入やインフレ目標などを導入して柔軟に対応してきたことなどをあげています。

どこに注目すべきか:ロシア格付け見通し、シリア、西側制裁

フィッチが見通しを引き上げたことで、ロシアが主な格付け会社3社すべてから非投資適格(BBB-を下回る)となる懸念は後退しましたが、ロシア国債価格は下落(利回りは上昇)しています(図表1参照)。市場は格付けよりも、他のリスク(地政学リスク)を懸念していることが浮き彫りとなりました。

まず、ロシアの格付けを確認すると、スタンダード&プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービスはロシアの外貨建長期債格付けを非投資適格としています(自国通貨建はS&PがBBB-と投資適格としている)。フィッチがロシアの経済政策を評価して見通しを据え置いたことは国債にとってプラスと思われますが、足元価格は下落しています。

また信用力も悪化しています(図表1参照)。

国債市場でロシアが軟調な理由は2014年のクリミア半島編入に対するロシアへの制裁が想起されるからです。例えば、欧州連合(EU)は10月17日、シリアのアサド政権と、その後ろ盾となっているロシアに対し、北部アレッポでの爆撃を早急に停止するよう求める声明を公表しています。ロシアに対する制裁にはEU内でも温度差があり、声明にロシアへの制裁は見当たりませんが、国債市場は懸念を強めています。

変動相場制導入により外貨準備高が安定したことなどが格付け会社のフィッチから前向きに評価されていただけに、国債市場は残念な動きとなっています。なお、フィッチは見通し引き上げの前提として西側からの制裁が追加されないことを仮定しており、地政学リスクが悪化した場合には、フィッチの評価が変わる可能性があることにも注意が必要です。

幸い、原油価格が上昇傾向であることから、原油価格とルーブルの連動性というジンクスのおかげか、為替市場でルーブル(対ドル)は今のところ安定しています(図表2参照)。

ロシア経済が低迷する一方で、インフレ率が上昇するという困難な局面でロシア中銀は引き締めを維持、インフレ率を低下させるなどロシアの最近の経済運営には評価すべき面も見られますが、地政学リスクに、より注意が必要と見ています。

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