議事録に見る、豪中銀の懸念 | ピクテ投信投資顧問株式会社

議事録に見る、豪中銀の懸念 オセアニア

豪中銀議事録でのCPI低下懸念や、議事録公表後に発表された豪雇用統計での雇用者数悪化を受け、政策金利引き下げ観測を反映した豪ドル安が見られました。CPI指標次第ですが、メインシナリオは当面据え置きと見ています。

豪中銀議事録:政策金利の検討事項で成長の可能性を指摘しつつ、インフレ率にも言及

オーストラリア準備銀行(豪中銀)は2016年10月18日、10月4日に開いた金融政策決定会合の議事録を公表しました。議事録で、豪中銀は経済成長の持続可能性を指摘、10月月初の会合で政策金利を過去最低の1.5%に据え置きました(図表1参照)。

豪経済について議事録では、鉱業投資の減少に伴う逆風が弱まる兆候や、資源の輸出の回復を受け緩やかなペースながら景気拡大が続くと予想しています。雇用市場はデータの内容に不確実性が見られ、例えば雇用者数の増加はほぼパートタイムで占められています。雇用市場にスラック(労働力需給の緩み) が見られると議事録は指摘しています。

なお議事録の中で今回市場が注目した点に、次回会合では、10月26日発表の消費者物価指数(CPI)などが利用可能であるため、経済見通しや、過去の利下げの影響を再考し、雇用・住宅を見直すことができると述べた点があげられます。

どこに注目すべきか:CPIトリム平均、豪GDP、雇用市場、中国

豪中銀議事録でCPI低下への懸念が示されたことや、議事録公表後の20日に発表された豪雇用統計で雇用者数が市場予想を下回ったことを受け、政策金利引き下げ観測を反映した豪ドル安(図表1参照)が見られました。CPI指標次第ですが、メインシナリオは当面据え置きと見られます。

確かに、オーストラリアのCPI(トリム平均)で見ると期ごとの変動はあるものの、総じて低下傾向です(図表2参照)。足元の4-6月期は前期比0.5%(前年同期比で1.7%)と豪中銀のインフレ目標(年率で2~3%)を下回っており、仮に26日のCPIが大幅に低下(市場予想は前期比0.4%)した場合利下げ観測が高まる可能性は考えられます。

しかし、メインシナリオは豪中銀は当面政策金利を据え置くものと見られます。

まず、オーストラリアの主要産業である資源(鉱業)の改善が見込まれる中、豪GDPも底堅く推移しています(図表2参照)。

次に、内需を見ると議事録でも住宅投資は堅調とみており、CPIを下支えする可能性があります。また、豪中銀は他の報告書(金融政策報告書)で7-9月期のCPIの伸びは、時給の安定などを受け前期並みの数字になると想定しています。

最後に、豪中銀の海外経済の分析を見ると、最大の貿易相手国中国の成長率は数字の上では安定性が高まったと見ています。ただし、潜在的な中国債務問題への懸念も議事録で指摘しています。中国債務問題が表面化するか、当局の対応で何事も無く終わるか豪中銀は明確に述べていません。ただし、豪政策金利も1.5%と、マイナス金利を回避するなら引下げ余地も小さくなってきており、温存を選ぶ可能性があります。

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