中国工業利益に見るこれからの課題 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国工業利益に見るこれからの課題 アジア 中国

中国の鉱工業生産関連の指標が公表され、中国の工業生産が堅調に推移していることが数字の上で示されました。しかし、内容を見ると業種により好不調のバラツキが大きいことなど注意も必要です。

中国1-9月工業利益:前月の伸びを下回ったのは統計上の理由、基調は崩れていない

中国国家統計局が2016年10月27日に発表した1-9月の工業利益は4兆6,400億元(約71兆4,900億円)で、9月の工業利益は前年比7.7%増の5,771億元となりました。前月は19.5%増と、大幅な伸びとなっていました。

内訳を見ると、製鉄業の1-9月の利益は前年同期比272.4%増、石油精製業の利益は同263.8%増と製鉄業や石油精製業に押し上げられています。

どこに注目すべきか:工業利益、発電量、住宅市場、名目GDP

中国の鉱工業生産関連の指標が公表され、中国の工業生産が堅調に推移していることが数字の上で示されました。しかし、内容を見ると業種により好不調のバラツキが大きいことなど注意も必要です。

まず、直近の工業利益を見ると前年比で7.7%増と前月の19.5%増から大幅に低下しています(図表1参照)。ただし、この変動は活動を反映したというよりも、前月までは統計上の理由(前年が低いため高く表示される)によります。今月の工業利益は統計上のベース効果が失われたため、前月に比べると低いですが、水準は高いと見ています。

また、工業生産活動の他の参照指標である鉱工業生産は安定的に推移し(図表1参照)、さらに信頼度が高いと言われる中国の発電量も安定的に推移しています。

工業利益を支えた要因は主に2つあると見ています。

1つ目は生産者物価指数(PPI)の回復です。2015年後半頃からPPIが回復傾向となっていることがマージンの改善を支えていると見ています。ただし、量の回復はもう一歩と見ています。

2つ目は2014年頃から中国当局が住宅市場などを政策で下支えしていることです。中国の主要都市の住宅価格に上昇が見られます(図表2参照)。

では、今後の工業生産活動の懸念要因は何が考えられるでしょうか?

1つ目としては回復している商品価格の先行きが不透明なことで、量的な拡大が伴うか注視が必要です。

2つ目は、工業利益の内訳で述べたように、特定の産業(製鉄業など)の回復が際立っていることです。これは受託など政府の後押しを受けた分野に関連するセクターが恩恵を受けたことを示しています。ただし、最近中国当局は住宅規制緩和を(早くも?)引き締めており、住宅市場などの伸びは抑えられる可能性があります。

また、景気てこ入れ策は回復をもたらすと同時に負債を増加させると言う側面に注意が必要です。中国当局は一方で、債務削減を進める模様で、本格的に債務削減を進めた場合の副作用にも注視が必要です。ただ、プラスの点として、中国の名目GDP(国内総生産)は実質を上回る数字を見込んでおり、債務削減を進めやすい成長を確保していると見ています。

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