日銀の新たな枠組み、まずは見守る姿勢か | ピクテ投信投資顧問株式会社

日銀の新たな枠組み、まずは見守る姿勢か アジア 日本

日銀の金融政策決定会合前に発表された9月の総合CPIはマイナスでした。少し前であれば市場の追加金融緩和への大合唱が想定されますが、9月に金融政策の枠組みの変更により、追加金融緩和への期待は低いようです。

消費者物価指数:9月全国CPIはマイナスが続くも、10月東京CPIは一部に上昇も

総務省が2016年10月28日に発表した9月の全国消費者物価指数(CPI)は前年同月比でマイナス0.5%と市場予想、前月(共にマイナス0.5%)に一致しました(図表1参照)。変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除いた指数(コアコアCPI)は前年同月比で0.0%と市場予想(0.1%)、前月(0.2%)を下回りました。電気代や家電製品などの値下がりが低下の主な要因です。10月の東京CPI(月中旬)速報値は前年同月比0.1%と前月(マイナス0.5%)、市場予想(マイナス0.4%)を上回りました。

どこに注目すべきか:東京CPI、長短金利操作、テーパリング

日銀は10月31日、11月1日に金融政策決定会合を開催(公表は11月1日)します。金融政策決定会合前に発表された9月の総合CPIはマイナスでした。少し前であれば市場による追加金融緩和催促への大合唱が想定されますが、9月に金融政策の枠組みを変更したことで、追加金融緩和への期待は低いように思われます。

追加金融緩和への期待が低い背景として、指標を見てみると、9月のインフレ率はマイナスであったとはいえ、インフレの先行きを見守りたいという意向はあるかもしれません。理由は先行する10月の東京CPIはプラスであったこと、また金融政策決定会合に伴い公表される経済・物価情勢の展望を見守りたいという優等生的な考えもあると思われます。

ただ、大きな要因としては、日銀が緩和に消極的な姿勢を既に示しているからです。例えば、黒田総裁は、衆院財務金融委員会で長短金利の操作目標について、9月に決定した時点から経済・物価・金融情勢が大きく変わっておらず、すぐに変更があると考えるのは難しいと述べ、暗に追加緩和に否定的な姿勢を示しています。

また、同委員会で黒田総裁は新たな枠組み(イールドカーブ・コントロール)で国債買い入れペースが大きく減少するとは考えていないと述べています。量について一歩も譲らない姿勢だったことを思えば変化とも見られます。ただ仮に国債購入額が減ってもテーパリング(債券購入額の段階的削減)と思われることは否定しています。「テーパリング」は米国が量的金融緩和第3弾(QE3)で広まりましたがバーナンキ総裁(当時)が国債購入の減額を示唆しただけで、市場は大混乱となっています。テーパリングをスムースに導入するのは至難のわざと思われます。一方、イールドカーブ・コントロールは長期金利が(なんらかの理由で)目標に収まっていれば国債購入は減る可能性もあり、テーパリングの性格を帯びているように思われます。反対に金利が上昇すれば、国債購入は逆に増えるかも知れない仕組みとも見られます。過去の教訓を反映した半テーパリングのようにも見受けられます。今は、新たな枠組みを、期待を持って見守る段階なのかも知れません。

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