中国10月輸出統計に見る中長期視点 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国10月輸出統計に見る中長期視点 アジア 中国

10月の中国貿易統計から、中国輸出については、短期的だけでなく、人民元の水準や資本フローなど、中長期的なポイントにも注目する必要があることが浮かび上がってきます。

中国10月ドル建て輸出:7ヵ月連続減少人民元に一段安の圧力か?

中国税関総署が2016年11月8日に発表した10月のドル建て貿易統計によれば、輸出は前年同月比でマイナス7.3%と、軟調であった前月(マイナス10%)を上回ったものの、市場予想(マイナス6%)を下回りました(図表1参照)。輸入は前年同月比でマイナス1.4%と前月(マイナス1.9%)を小幅に上回りましたが、市場予想(マイナス1%)を下回りました。貿易黒字は491億ドル(約5兆1,250億円)となりました。輸出については、10月分を含め、7ヵ月連続で減少となっています。

どこに注目すべきか:
韓国輸出、競争力、ドル高、外貨準備高

10月の中国貿易統計から、中国輸出については、短期的だけでなく、人民元の水準や資本フローなど、中長期的なポイントにも注目する必要があることが浮かび上がってきます。

まず、短期的には中国の輸出と連動性の高い、先に公表された韓国の輸出と同様の動きが見られます(図表1参照)。

9月に比べ改善はしているものの、マイナスにとどまっている(短期的な)理由としては、米国向け輸出が振るわなかったことから、米国大統領選の先行きが不透明であったことなどが輸出の押し下げ要因として考えられます。

次に、中国の輸出の伸びを見ると、7ヵ月連続でマイナスとなっています。もっとも、前回プラスだった2016年3月は祝日の影響でデータにブレが見られることから、実際には2015年年初頃から前年比マイナスに落ち込んでいたと見られます。

中長期的な輸出不振の背景に次の理由が考えられます。

1つ目は中国の競争力の低下です。例えば、洋品店などで製品を見ると、中国製が依然大半ですが人件費の安いベトナムやミャンマー製などがシェアを伸ばす様子が伺えます。

中国人力資源社会保障部で中国の人件費を見ると、2000年年初に比べ4倍程度に伸びているケースも見られます。

2つ目は為替の影響です。2014年頃、ドル高に連動する形で人民元高となっていたことが、時間の遅れを伴って輸出のマイナス要因となっている模様です。その後の人民元安傾向は人民元高の修正と見られます(図表2参照)。

最後に、気になるのは人民元の動向です。輸出回復に向け人民元安が想定されますが、この2年ほどの動きを見ても(ドル売り、人民元買いの原資と思われる)外貨準備の減少を伴っていることから、中国当局も無秩序な人民元安を望んでいないと思われます(図表2参照)。急激な人民元安は資本流出のリスクを高める恐れがあるからです。10月のデータで気になるのは貿易収支は黒字であるのに、外貨準備高の減少ペースが早まっており、一方で人民元安が進行していることです。この点については確認作業が必要ですが、人民元安の背景に資本逃避も含まれている模様です。

人民元安傾向には根強さも見られますが、徐々に資本逃避を意識する水準に近づいているようにも思われます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る