トランプ次期大統領でチリの主要産業、銅の価格は上昇したが | ピクテ投信投資顧問株式会社

トランプ次期大統領でチリの主要産業、銅の価格は上昇したが 中南米

チリ中銀は声明文で米国大統領選挙後の市場の混乱を指摘、インフレ率の低下を受けた利下げ期待は後退したと見られます。今後のチリ中銀の動向を占う上で、ペソの動向とトランプ氏勝利後の商品市場の動きが鍵と思われます。

チリ中央銀行:市場予想通り政策金利は据え置くも、声明の内容は利下げに慎重か

チリ中央銀行は2016年11月18日、政策金利を予想通り3.5%に据え置きました。声明でチリ中銀は米国大統領選挙後の市場の変動に言及、特に為替と国債利回りに変動が見られる点を指摘しています。消費者物価指数(CPI)は足元前年同月比2.8%と短期的には低下しているとしつつも(図表1参照)、中長期的な低下余地に対し慎重な見方を示しました。

どこに注目すべきか:インフレ目標、チリペソ、銅価格、財政政策

チリ中銀の声明文は米国大統領選挙後の市場の混乱を指摘していることから、インフレ率の低下を受けた利下げ期待は当面見送られる可能性も考えられます。今後のチリ中銀の動向を占う目安として、ペソの動向とトランプ氏勝利後の商品市場の動きが鍵と思われます。

まず、チリ中銀の過去2回(9月、10月)の金融政策会合を振り返ると、据え置きか、それとも0.25%の引下げかが議論されましたが、結論は共に据え置きでした。今回(11月)の会合前に公表された主な経済指標はインフレ率で(図表1参照)、中銀のインフレ目標(3.0%)を下回りました。

しかしながら、チリ中銀の今回の声明では、以下の理由により利下げ期待の後退が示唆されたと見られます。

1つ目は、財政拡大を推進すると見られるトランプ氏の勝利により債券、為替市場の変動が高まったことです。チリペソは2016年年初頃から概ね対ドルで上昇傾向で推移、それに伴いインフレ率も低下する傾向が見られました(図表1参照)。しかし、米国大統領選挙後はペソ安が進行しています。過去の会合で、利下げを視野に入れていたと見られるチリ中銀に、通貨ペソの動向は、利下げを抑制する方向で影響を与えたものと見られます。

2つ目は銅価格の動向です。チリの主要産業である銅価格が急上昇しています(図表2参照)。電線などインフラ投資の拡大に伴い銅需要の裾野が広がることが期待されます。そのため銅価格はトランプ氏勝利後、価格上昇が見られました。仮に銅価格が高水準で推移すれば、チリ経済の底上げも期待されるため、利下げの必要性は低下すると思われます。

ただし、銅価格が高水準を維持できるか注意も必要です。例えば、インフラ投資が拡大した場合、需要拡大が期待される鉄鉱石はトランプ氏勝利の後急上昇しましたが、中国当局のけん制もあり、既に元の水準に戻っています。トランプ氏の政策に対する期待先行でとりあえず上昇した市場ですが、現実的な需要分析などで冷静さを取り戻したものと見られます。また、ドル高も商品価格にマイナス要因となる可能性もあります。

チリ中銀は米国の政策の中身と市場の反応を見守る姿勢で、利下げは胸の中にしばらくしまっておく展開も想定されます。

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