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中国当局、資本逃避抑制の動きも アジア 中国

報道によると、1ドル=7人民元の大台を目前に中国当局が人民元安の抑制を意図した動きを活発化しています。人民元の先安観を受け中国企業による対外投資が人民元安を加速している面もあり、当局の対応に注目しています。

中国国家外為管理局:資本流出規制を強化、人民元安抑制の動き

報道によると、中国当局は中国から海外への資本流出を抑制する動きを加速させている模様です。中国企業の対外直接投資に対する監視を強め、下落が続いている人民元相場の安定を図る狙いと見られます(図表1参照)。2016年11月29日午前、人民元は1ドル=6.88元台での取引となり、人民元が足元の最安値をつけた25日から、これで3営業日連続で上昇しています。

どこに注目すべきか:中国M&A、輸入インフレ、為替操作国

報道によると、1ドル=7人民元の大台を目前に中国当局が人民元安の抑制を意図した動きを活発化しています。人民元の先安観を受け、中国企業による対外投資が人民元安を加速している懸念もあり、当局の対応に注目しています。

まず、主な人民元安の抑制に向けた動きとしては、人民銀行(中国の中央銀行)副総裁が珍しく2大国営メディアを使って(人民元安を懸念する)口先介入を報じたことや、資本流出規制の強化があげられます。規制の中身は例えば、中国企業の海外直接投資のための外貨購入が一定金額を超える場合、中国国家外為管理局の事前許可が求められる模様です。量だけでなく質も問われ、本業とは関わりのない合併・買収(M&A)に対し厳格に審査すると報じられています。

人民元安は輸出下支え効果も期待されますが、中国当局は以下の理由で人民元安抑制を優先する可能性もあります。

1点目は資本逃避のリスクが高まってきたことです。中国では、過去に見てきたように資本逃避が国内資産の下落を起こすといった問題もあります。さらに、海外への資本フローを加速させているM&Aの中身にも問題がありそうです。例えば、(結局は断念しましたが)中国の保険会社による海外リゾートホテルの買収など戦略が不透明な案件も見られ、当局は本業以外の買収を厳しく抑制すると見られます。

2点目は、輸入インフレへの懸念です。中国の消費者物価指数(CPI)は落ち着いていますが、輸入が多い食料品価格に上昇の兆しが見られます(図表2参照)。2016年春のように春節(旧正月)休暇による食品価格上昇であれば一時的な問題ですが、仮に輸入インフレの定着となると深刻です。

最後に、米国への配慮です。トランプ次期大統領は中国を(人民元安を放置するなら)為替操作国に認定すると選挙期間中に述べています。仮に認定されれば米国単独で人民元の切り上げ要求や制裁関税の措置が発動でき、輸出低迷が続く中国に痛手と思われます。もっとも、本当に中国からの安い輸入品が滞れば苦しむのは米国民のようにも思われますが。

人民元は当面、当局の意向を反映して人民元高の展開も想定されますが、持続性の点で不確実性もあると見られます。

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