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ブラジル中銀の方針を声明から読み取る 中南米 ブラジル

ブラジル中銀は軟調な景気回復と予想を上回るペースのインフレ率の低下などを背景に利下げを決定しました。利下げ幅は小幅ながら声明文のトーンはハト派寄りと見られます。ただ、利下げペース拡大に慎重な面も見られます。

ブラジル中銀:政策金利を0.25%引下げ13.75%へ、景気悪化でも利下げペースは緩やか

ブラジル中央銀行は2016年11月30日、政策金利を14.00%から市場予想通り0.25%引き下げて、13.75%とすることを全会一致で決定したと公表しました(図表1参照)。利下げは10月に引き続き2会合連続で0.25%の利下げを実施しました。ブラジルの次回の金融政策会合(Copom)は2017年1月に予定されています。

どこに注目すべきか:GDP、労働参加率、インフレ率、財政再建

ブラジル中銀は軟調な景気回復と予想を上回るペースでインフレ率が低下していることなどを背景に利下げを決定しました。利下げ幅は緩やかでしたが声明文のトーンはハト派(金融緩和を選好)寄りの表現に変化しました。ただし、利下げペース拡大に慎重な面も見られます。

ブラジル中銀の過去の政策金利の変更幅は、例えば2014年から2015年の利上げ局面を思い起こすと、0.5%刻みで変更するケースが多く見られます(図表1参照)。直近2回の利下げ幅は0.25%で、「緩やかな」利下げペースと見られます。 市場では、次回(2017年1月)は以下の理由により0.5%の利下げを予想する声も聞かれます。

まず、ブラジルの景気回復ペースが鈍いことです。30日に発表された7-9月期GDP(国内総生産)成長率は前年同期比マイナス2.9%と底打ちは見られるも10四半期連続でマイナス成長です。ブラジル経済で気になる点は雇用市場が悪化していることです。例えば、就業比率(人口に対する雇用者の割合)は2014年頃から概ね下落傾向です。成長率には底打ちも見られますが、雇用回復の実感は乏しいと思われます。

次に、インフレ率も低下傾向です(図表2参照)。声明でもインフレ期待の低下が概ね示唆されています。

また、声明では財政立て直しが利下げを維持する要因と示唆されていますが、財政改善に前進も見られます。ブラジル上院は11月29日、歳出に上限を設ける法案を可決しました。

テメル政権が財政立て直しに前向きであることを示した格好で、この点も利下げを支持する要因と見られます。

しかし、声明には利下げに慎重姿勢な記述も見られます。

例えば、中銀は声明で、トランプ次期米政権の経済政策をめぐる先行き不透明感が強いことから、新興国への資金流入が継続しない公算があるとし、このことを背景にインフレ率低下が遅れる可能性を指摘しています。

したがって、ブラジル中銀の金融政策はブラジルの経済と財政改革の進展という国内要因と米国の政策次第ながら、声明のトーンから利下げ幅を拡大する可能性もあると見ています。

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