中国人民元、資本規制は強まるか | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国人民元、資本規制は強まるか アジア 中国

人民元の2014年頃からの下落傾向に伴い、資本収支(金融収支、除く準備高)の悪化が見られます。中国当局は人民元安に伴う資本逃避を懸念、資本規制を強化していますが、今後も資本規制を強める可能性があります。

中国人民元:中国当局は拡大する資本流出に対応して資本規制を強化

国際通貨基金(IMF)は2015年11月30日に中国人民元を自由利用可能通貨と判断、特別引出権(SDR)の5番目の構成通貨として理事会が承認し、2016年10月1日付けで、人民元をSDRバスケットに採用しました。 しかしながら、足元中国当局は人民元安進行に伴う資本流出に対応するため資本規制を強化しており、人民元の国際通貨としての自由度に低下が見られます(図表1参照)。

どこに注目すべきか:人民元、資本規制、中央経済工作会議

人民元の2014年頃からの下落傾向に伴い、資本収支(金融収支、除く準備高)の悪化が見られます。中国当局は人民元安に伴う資本逃避(流出)を懸念、資本規制を強化していますが、今後も資本規制を強める可能性があります。

まず、人民元安と資本流出の関係を思い起こすと、中国企業が海外の有利な金利と為替レート(主に米ドル)のときに積み上げた債務が、その後の金利高懸念を受け返済を急いだことで人民元安が進行し、その人民元安が外貨建て債務の増加懸念を生むという悪循環となっています。もっとも、最近では人民元建での流出も増え、例えば、中国居住者による(香港経由などの)海外保険を購入するケースや、対外直接投資、海外近親者への中国からの送金、さらには虚偽貿易取引など違法性の高いケースも報道などで指摘されています。

この状況に対し中国当局は足元資本規制を強化しています。

例えば、海外(香港)保険商品の購入禁止の動きやビットコインの外国送金の制限、対外直接投資の監視、さらには外国送金の認可基準の厳格化などが報道されています。

下落傾向が続いていた人民元は、一連の資本規制を受け足元、下落の勢いが低下する局面も見られました(図表2参照)が、人民元安抑制の決め手に欠ける印象です。

やや小粒の資本規制に対し、通貨安抑制に金利引き上げという荒療治も考えられます。確かに中国の短期金利を見ると徐々に水準が切り上がっています(図表2参照)が、景気よりも通貨安抑制を優先して利上げを選択するかは不透明です。

そこで中国当局の意向を把握するうえで、14日に開幕した中央経済工作会議の内容に注目しています。中央経済工作会議に先行して開催され基調を示唆する中央政治局会議では「安定」が強調されていました。

資本規制は正常(?)なビジネスの送金まで規制してしまう恐れがあるなど適用の難しさはありますが、経済全体に影響を与える利上げより影響は少ないことが期待されます。中国当局がどのような政策の組み合わせを選択するかは図りかねますが、人民元安を抑える動きが続けられるものと見られます。

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