ツイッターに振り回されるメキシコ中銀 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ツイッターに振り回されるメキシコ中銀 中南米

トランプ氏が米国次期大統領に選出され、ペソは一段と下落が進み、対ドルで最安値を更新し続けてきました。メキシコ中銀はペソ防衛に過去1年ほど続けてきた利上げに加え為替介入を加えた格好ですが効果は不透明です。

メキシコ中銀:ペソ下落抑制に向け為替市場でドル売り、ペソ買い介入

報道によると、メキシコ銀行(中央銀行)は2017年1月5日、対ドルのメキシコペソ下落(図表1参照)を防ぐため、2016年2月以来となる為替介入(ドル売・ペソ買)を実施しました。メキシコ中銀は介入規模を明らかにしていませんが、市場では10億ドル程度(約1150億円)と見られている模様です。

どこに注目すべきか:
為替介入、フォード、高関税、ツイッター

トランプ氏が米国次期大統領に選出され、ペソは一段と下落が進み、(対ドルで)最安値を更新し続けてきました。メキシコ中銀はペソ防衛に過去1年ほど続けてきた利上げに加え為替介入を加えた格好ですが、効果は不透明です。

まず、ペソの動向を振り返ると、通商政策でメキシコへの強硬姿勢を示唆していたトランプ氏が大統領選挙で当選する前からペソ安は進行していました(図表1参照)。

これに対し、メキシコ中銀は当初は為替介入で対応、それに伴い外貨準備高は減少していました。しかし、外貨準備高が減少してきたこと、そして何よりも米国が利上げを開始したことから2015年末以降はメキシコ中銀は政策金利引上げをペソ防衛の手段に採用してきました(図表2参照)。

しかし、単なるリスクと見られていたトランプ氏が大方の市場予想に反し当選、当選後には米フォード・モーターが1月3日にトランプ氏の意向に沿う形で16億ドル規模のメキシコでの投資計画撤回を発表するなどリスクという認識から現実化へと転じ、ペソは下げ足を強めました。

これに対し、メキシコ中銀は5日にペソ防衛に為替介入を再開しましたが、悪い選択ではなかったと思われます。メキシコペソが史上最安値となったこと、中国当局の対応により、人民元が対ドルで上昇するなど市場にドル安の兆しが見られたため、介入効果が期待されるタイミングだったからです。ただし不運な面もあります。為替介入から数時間後に、トランプ氏がツイッターへの投稿でメキシコ工場建設を計画するトヨタ自動車に高関税をかけることも辞さない考えを示したため、為替介入の効果が弱まる局面も見られたからです。

メキシコ中銀は次回(2月9日予定)の金融政策会合で利上げが予想されており、為替介入とあわせ必死に防戦に努めています。ペソが落ち着きを取り戻す可能性も十分考えられます。ただ、140文字で動いてしまう市場を抑えるコストがメキシコ中銀やメキシコ経済に重くのしかかる点は気がかりです。

トランプ氏の強硬姿勢は今後の通商交渉を有利に進める高等戦術かもしれませんし、またそうあって欲しいところですが、それが分かるのはもう少し先の話と思われ、短期的な回復があったとしても、潜在的なペソ安不安は根強いと見られます。

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