トランプ氏就任後の中国人民元の動向を占う | ピクテ投信投資顧問株式会社

トランプ氏就任後の中国人民元の動向を占う アジア 中国

中国の輸出は昨年12月も軟調な動きで、人民元安を期待したいところですが、トランプ次期政権の通商政策の先行きが不透明な中、中国当局の為替政策は人民元安進行の抑制に努める姿勢を当面維持するものと見られます。

中国貿易統計:輸出の低調が続くなか、今後はトランプ次期米政権の政策に注意が必要

中国税関総署が2017年1月13日に発表した2016年12月のドル建て貿易統計によれば、輸出は前年同月比6.1%減と、市場予想(マイナス4.0%)、前月(マイナス1.6%)を下回りました。輸入は3.1%増と市場予想(3.0%)とほぼ一致しました。前月は4.7%と速報値の6.7%から下方修正されました。この結果、貿易黒字は408億ドル(約4兆7,000億円)となり、市場予想(476億ドル)を下回りました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:
中国輸出、為替操作国、TPP、NAFTA

中国の輸出は昨年12月も軟調な動きとなりました。貿易収支も減少傾向で、人民元安を期待したいところですが、中国当局の抑制策により、人民元安の勢いにかげりが見られます(図表2参照)。トランプ次期政権の通商政策の先行きが不透明な中、中国当局の為替政策は人民元安進行の抑制に努める姿勢を当面維持するものと見られます。

トランプ次期政権の政策は1月20日の就任後、徐々に明らかになると思われますが、最近のインタビュー等から、主に中国の通商政策に関連する注目点を述べます。

公約では就任初日に中国を為替操作国に認定するよう指示するとしていましたが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)とのインタビューで、初日の認定は見送り、まずは対話から始める可能性を示唆しています。ただトランプ氏はインタビューの中で米国企業は人民元安・ドル高で中国と競争にならないと述べるなど、人民元の水準に強い不満を示し、人民元安を許容しない方針をうかがわせています。

また、WSJのインタビューの中でも、中国の為替・貿易慣行に改善が見られるまで中国と台湾は不可分とする「一つの中国」の原則にコミットしない姿勢を示しました。「一つの中国」が交渉の対象(材料)となり、両国の緊張感が高まる可能性も考えられます。

一方で、トランプ氏はロシアが「テロとの戦い」等で米国に協力的なら、対ロシア制裁について、しばらくの間は制裁を維持するも、解除する可能性を示唆し、間接的に中国への圧力となりうる、ロシアとの関係改善を暗示しています。

トランプ氏の就任直後に公表される政策を占うのは至難の業ですが、市場では、例えば環太平洋経済連携協定(TPP)離脱通告など取り組みやすい通商政策が発表の中心になるとの見方が有力です。一方、同じ通商政策でも北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉など重い課題では、踏み込んだ内容は控えるとの見方もありますが、根拠は明確とはいえません。

このように何が起きるか分からないのがトランプ流とはいえ、中国への圧力が続く可能性は高いと見られます。中国当局としても為替については無用の混乱を避けるため、当面は人民元安抑制、安定化に努めるものと思われます。

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