フランス大手銀行、サムライ債をTLAC適格で発行 | ピクテ投信投資顧問株式会社

フランス大手銀行、サムライ債をTLAC適格で発行 欧州/ユーロ圏 フランス

今回世界的な巨大銀行(G-SIBs)の万一の破綻時に備えた損失の吸収を目指したTLACの段階的スタートである2019年を前に、フランスではTLACに対応した新たな債券が発行されました。

フランス新型債券:TLAC適格となるフランス新型債券で初のサムライ債発行

サムライ債の発行(円建外債:海外の発行体が日本の投資家を対象に、日本国内市場で円建てで発行する債券)が足元好調に推移しています。このような環境下、フランスのBPCE(フランスの銀行、リテール業務に強み)は2017年1月20日、3本立てで総額1427億円相当のサムライ債を起債しました。この中に、総損失吸収能力(TLAC)基準に従ったフランス新型債券では初めて円建てとなる債券(5年債 利率0.64%、696億円)が含まれていました(他は7年債646億円、10年債 85億円の普通(?)のサムライ債)。

どこに注目すべきか:TLAC、Senior non-preferred、破綻処理

世界的な巨大銀行(G-SIBs)の万一の破綻時に備えた損失の吸収を目指したTLACの段階的スタートである2019年を前に、最後の詰めの作業が行われています。フランスではTLACに対応した新たな債券が発行されました。

フランス新型債券は正しくは”Senior non-preferred”です。

市場や報道ではジュニア・シニア債、シニア劣後債、Tier3などと呼ばれているケースもあるようです。新型債券のイメージは、シニア債でありながらTLAC適格であるため破綻認定時には元本削減等により損失を吸収(債権者が損失を負担する)こととなります。

そもそも、なぜ新型と呼ばれるかを知るため破綻処理の流れを確認します(図表1参照)。G-SIBsが破綻と認定された場合、秩序だった破綻処理を行うのに必要な負担を株主や債権者に求めるため、手厚い自己資本を用意しておくのがTLACの考え方です。そして損失処理はまず最初に普通株式などCET1が充当され、足りなければ優先株式などのその他Tier1(AT1)、と図表1の上から処理されるイメージです。

フランスでは昨年、新型債券と呼んでいる新しい債券をTier2とシニア・シニア債の間に作ることが承認されました。フランスでG-SIBsに指定されているBPCEを含めた4銀行は自己資本比率を引き上げるため新型債券を発行しています。

では、何故ジュニア・シニア債というカテゴリーが必要であったのか?それはシニア・シニア債(イメージとして既存のシニア債、劣後特約のつかないシニア債)をTLAC適格としたくないとの意向が働いたためと思われます。TLACは世界的な基準ですが(正確には欧州ではMRELという別基準)法制化はその国ごとに行われるため、国の事情が反映されます。例えば同じような銀行の構造を持つドイツでは、恐らく自己資本比率を早期に高めるため、既存シニア債もTLAC適格となる仕組みが導入されています。一方、フランスでは新型債券の枠組みを作り、TLAC対応の新規債券の発行により自己資本を拡充する戦略を選択したと思われます。

リーマンショックなどに伴う金融危機の教訓から、新たな制度がグローバルで導入されてきました。改善や改良は必要な面はあるかもしれませんが、後戻りという選択肢は考えにくいと思われます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る