最近の中国通商データ事情 | ピクテ投信投資顧問株式会社

最近の中国通商データ事情 アジア 中国

中国の1月の輸出、輸入データの改善は比較対象の1年前の取引が低調だった面や、春節の時期のズレを反映した面はあるものの、それでも全体に改善傾向を示したと見ています。ただ、持続性の点で注意も必要です。

中国経済統計:中国貿易統計は回復、インフレ指標は市場予想を上回る

中国税関総署が2017年2月10日に発表した1月の貿易統計によると、ドルベースの輸出額は前年同月比7.9%の1828億ドル(約20兆7500億円)で、伸び率は市場予想(3.2%)、前月(マイナス6.2%)を上回りました。輸入も同16.7%の1314億ドルで、伸び率は市場予想(10.0%)、前月(3.1%)を上回りました(図表1参照)。

一方、中国国家統計局が2017年2月14日に発表した1月の生産者物価指数(PPI)は2011年以来の高い伸びとなる前年同月比6.9%上昇し、市場予想(6.5%)、前月(5.5%)を上回りました。また、1月の消費者物価指数(CPI)も前年同月比2.5%上昇し、市場予想(2.4%)、前月(2.1%)を上回りました(図表2参照)。国家統計局は、CPIの上昇は春節(旧正月)の連休を控えた食料品や交通費の上昇が要因と見ています。

どこに注目すべきか:
中国貿易統計、PPI、CPI、銀行間金利

中国の1月の輸出、輸入データの改善は比較対象の1年前の取引が低調だった(ベース効果)面や、春節の時期のズレを反映した面はあるものの、それでも全体に改善傾向を示したと見ています。ただ、持続性の点で注意も必要です。

まず、今回の輸出、輸入データを割り引かなくてはいけない点に注意すると、例えば、2016年1月の輸出と輸入は前年同月比が各々マイナス15.2%、マイナス19.9%と大幅に落ち込んでいたため、今回高めの数字が出やすいと見られます。また、春節の時期のズレもあり慎重な判断が必要です。

しかし、一方で、貿易の回復の兆しも見られます。例えば、輸出先を見ると、世界的な景気回復を受け1月は米国、欧州、日本向けの輸出が改善しています。恐らく人民元安も輸出の増加などに寄与した可能性が考えられます。また、資源価格の動向を反映する傾向がある生産者物価指数(PPI)は上昇傾向が続いています(図表2参照)。PPI上昇は中国の資源輸入の回復を示唆したと見られます。

ただし、中国の貿易の回復維持には気になる点もあります。まず、輸入(内需)拡大の背景と見られる中国当局の景気下支え策は抑制される可能性があります。真意は違うかもしれませんが、中国の銀行間金利の代表的金利である1週間物リバースレポ金利はじり高傾向です。

また、インフレ懸念も気になります。PPIほどではないにせよ、CPIも生活に直結する食料品などが先月に比べ上昇しています。中国当局は2017年の経済の目標を安定においていますが、少なくとも人民元安の放置は考えにくい状況です。

最後に米国の通商政策は最も気になります。先日も貿易の不公正を是正する機関である米国際貿易委員会(ITC)が中国の資材に続き、化学肥料が不当に安い価格で輸出しているとして関税を課すと決めました。中国へのジャブの意味があったのかも知れません。もっとも、トランプ大統領は、実行できるか疑問はありますが、中国への一律関税を口にしたこともあります。中国の貿易の再加速は考えにくいように思われます。

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