メキシコ中銀、新たなペソ安対策を準備中 | ピクテ投信投資顧問株式会社

メキシコ中銀、新たなペソ安対策を準備中 中南米

メキシコ中銀はペソ安抑制に向け、主に為替介入、政策金利引上げで対応してきましたが、新たな手法として為替ヘッジ入札を準備していることを発表、新たな手法の詳細は未公表ですが、市場はペソ高で反応しました。

メキシコ中銀:ペソ上昇、メキシコ中銀が新たな為替ヘッジ入札準備の公表で

メキシコ銀行(中銀)は2017年2月21日に、メキシコ通貨委員会の依頼で(初めてとなる方法で)為替ヘッジ契約入札を準備していることを公表しました。メキシコ中銀によると、為替ヘッジの規模は最大200億ドル(約2兆2,700億円)にまで拡大させる見通しです。メキシコ中銀による最初の入札は3月6日に実施され、最高10億ドルの規模になる模様です。

メキシコ中銀の為替ヘッジの公表を受けメキシコペソは上昇しました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:
為替ヘッジ入札、外貨準備高、FCL

メキシコ中銀はペソ安抑制に向け、当初は主に外貨準備による為替介入、その後政策金利引上げなどで対応してきましたが、新たな手法として為替ヘッジ入札を準備していることを発表しました。新たな手法の詳細は未公表ですが、市場はペソ高という反応を示しました。

まず、メキシコ中銀のペソ安対策を振り返ると、2015年後半は外貨準備を用いたドル売り、ペソ買い介入が行われていたため、その時期の外貨準備残高は大幅に減少しています(図表2参照)。足元の残高は輸入金額の5ヵ月分程度となっているため、流動性の確保、格付けなど信用力の維持の点から、メキシコ中銀は外貨準備による為替介入は控えるものと思われます。

次に2015年12月から米国の利上げに伴いメキシコ中銀も政策金利引き締めに動いていますが、足元の水準は7回の利上げで6.25%とペソ安抑制に向け、きっかけとなった米国をはるかに上回る利上げペースとなっています。

新たな為替ヘッジ契約は、詳細は未公表ながら、外貨準備高を失わずにペソ相場を下支えするといったことから、(ドルでなく)ペソ建で決済するエヌ・ディ・エフ(NDF)取引を導入することが想定されます。推測ですが、イメージとしてはブラジルの通貨スワップ入札(レアル決済の先渡しでのスワップ入札とスポット市場でのレポ取引)を参考にした可能性は考えられます。おもにドル建と思われる外貨準備に頼る必要性を減らすことが見込めます。

ただ、仮にブラジル式の方法を導入するとしてもメキシコではNDF市場が未成熟なことなどコスト面で懸念もあります。また、そもそもメキシコでも機能するか不透明な要素も残ります。なお、外貨準備高、利上げ、為替ヘッジ契約入札以外にもメキシコはペソ安(具体的には輸入増加による経常赤字の拡大)抑制に国際通貨基金(IMF)の「安定のための融資(FCL)」を再拡大させる(メキシコは2016年5月にFCLを拡大させた)という奥の手も残されていますが、今回は見送った格好です。

米国の通商政策等に右往左往させられているメキシコですが、様々な手段を繰り出すメキシコ当局の対応に市場の評価が徐々に高まっているように思われます。

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