中国全人代、経済成長目標以外の注目点 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国全人代、経済成長目標以外の注目点 アジア 中国

全人代で発表された中国の成長目標は市場予想にほぼ一致しました。政府活動報告の内容から、中国は中立的な金融政策と、ある程度の財政政策で安定成長を下支えしつつ、供給改革への取り組みを続けると見られます。

中国全人代開幕:2017年の経済成長率目標を6.5%前後に設定

中国で2017年3月5日に第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第5回会議が開幕しました。李克強首相は政府活動報告で注目の2017年の成長率目標を公表、2016年の目標であった6.5~7%のレンジから、今年の成長目標を「6.5%前後、可能であればそれ以上」とし、成長目標を引き下げました。

どこに注目すべきか: 全人代、政府活動報告、過剰生産、過剰債務

全人代で毎年発表される中国の経済成長目標は市場の注目を集めますが、成長以外にも、注目点は見られ、例えば政府活動報告(報告書)からは過剰設備の削減を支える、中立的な金融政策と財政政策拡大の姿が浮かび上がります。

経済成長率以外の主な注目点は以下の通りです。

◎金融政策の方針を占うマネーサプライ(M2)伸び率の目標は2016年の13%から12%前後へと引き下げられました。M2の目標引き下げそのものは金融引締めとも見られます。しかし、足元のM2の水準(11.3%、図表1参照)から判断すれば、中立的な金融政策のもと柔軟な運営が想定されます。報告書でも慎重ながら中立な運営と述べられています。

◎財政政策を占う財政赤字目標は対GDP(国内総生産)比で3%と2016年と目標は変わらずとなりました。ただ、昨年の財政政策は財政赤字対GDP比3%という目標ながら、実際には拡張的に運営されていたと見られます。報告書では、公的海外出張の支出の伸びはゼロにするなど引き締め方針を強調する一方、予算上の赤字規模は前年比増額となっています。また、インフラ投資は具体的な計画があげられ、資金調達には公的だけでなく、民間資金活用が述べられるなど、2017年も財政政策が景気下支え役として想定される内容です。

◎報告書の中の中国当局が取り組む優先項目を見ると、過剰生産能力、都市部の住宅在庫、行政コストなどの削減がメニューに並んでいます。また金融リスク抑制には最も注力する見込みで、企業の過剰債務(レバレッジ)削減に高い優先度を置く模様です。ただし、過剰生産能力削減による景気の急激な後退(ハードランディング)を回避するため、緩やかな経済成長を確保したうえで、対象を絞り込んで過剰生産設備に取り組む模様で、ある意味、2016年と同様な政策(中立的な金融政策とやや積極的な財政政策)が維持される印象です。なお、過剰生産設備削減の対象となるセクターとして報告書で名前があげられたのは特に、鉄鋼、石炭で、具体的な数字(設備の削減目標)が明記されています。ただし、中国の生産者物価指数が前年比ベースで足元急上昇している背景は過去の値段が低かったことに加え、過剰生産設備削減が影響したとの見方もあります(図表2参照)。「安定」を基本方針とする中国当局がどのようにバランスさせるかには注目しています。

このように今回の全人代は全体を通じて昨年の経済工作会議で公表された基本方針、「安定」に沿った内容で、安定を具体化する政策が選好される傾向が続くものと見られます。

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