ロシア投資適格債に回復への道 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ロシア投資適格債に回復への道 欧州/ユーロ圏 ロシア

ロシアに信用力回復の兆しが見られます。2015年に特に外貨建て長期債が複数の格付会社から非投資適格債クラスに格下げされたものの、S&Pのロシアに対する見方は投資適格債まであと一歩にまで近づきました。

ロシア格付け:S&Pがロシアの見通しを従来の「安定的」から 「強含み」に引き上げ

格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は2017年3月17日にロシアの格付け見通しを従来の「安定的」から「強含み」に引き上げました。格付けは自国通貨建て長期債格付けを(一般に投資適格債となる)BBB-とし、外貨建て長期債格付けはBB+(一般に非投資適格債となる)としています。他の主な格付け会社のロシアの格付けを見ると、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)は長期債格付け(自国通貨建て、外貨建て共に)をBa1 (BB+に相当)としています。一方、フィッチ・レーティングスは長期債格付け(自国通貨建て、外貨建て共に)をBBB-としています。

どこに注目すべきか:ロシア見通し、資本流出、外貨準備高

ロシアに信用力回復の兆しが見られます。2015年に特に外貨建て長期債が複数の格付会社(S&P、ムーディーズ)から非投資適格債クラスに格下げされたものの、S&Pのロシアに対する見方は投資適格債まであと一歩にまで近づきました。

ロシアの信用力を見るポイントは以下の通りです。

まず、経済成長率の底打ちです。ロシアの成長率は2015年から16年(2016年第4四半期は未公表)マイナス圏で推移しました(図表1参照)。しかし、S&Pの予想では原油価格の落ち着きを受け、2017年からプラス成長への回復が期待されています。もっとも、ロシアの成長率のプラスへの回復は世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの国際機関が公表した予想でも示されています。S&Pがプラス評価しているのは過去(100ドル程度もあった)原油価格が50~55ドル程度の低水準(?)で推移すると見込む中、ロシア経済が相対的に低い原油価格に対応してきた点です(図表2参照)。

2点目は、財政改革の進展により、原油価格の急上昇を仮定しなくても財政赤字対GDP(国内総生産)比率は2019年には2016年の3%台後半から2.9%へ改善が見込まれています。

3点目は、対外ポジションの改善です。ロシアの政策金利が2014年末頃急上昇した背景は、2014年年初から外貨準備高が急減するなど対外ポジションが急激に悪化したからという面が考えられます。原油価格底打ちという追い風はあったものの、ロシア政府も外貨準備高は維持、政策金利は高水準を維持してきたため、S&Pも資本流出リスクは低下する見通しと述べています。ロシアでは3月24日に金融政策会合が予定されています。ロシアのインフレ率は4%台とロシア中央銀行の目標に近づいており、足元の経済成長率を見れば利下げが自然ですが、市場ではロシア中銀の資本流出抑制への慎重姿勢から据え置きが予想されています。

ただし、懸念材料としてクリミア併合から続く西側からの経済制裁は経済的な負担と見られます。また、ロシアの銀行セクターのぜい弱さも懸念材料です。これらの理由からロシアへの投資が手控えられ、結果として、資源頼りの経済からの脱却への道筋が明確とならないという点には対応が必要と見られます。

 

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