予想外でも驚きは無い、ロシアの利下げ | ピクテ投信投資顧問株式会社

予想外でも驚きは無い、ロシアの利下げ 欧州/ユーロ圏 ロシア

ロシア中銀は市場予想に反し、利下げを発表しました。しかし、インフレ率の低下傾向など利下げ環境は既に整っていたため、市場予想に反した利下げながら、以下に示すように、声明は驚きを感じさせない内容となっています。

ロシア金融政策:ロシア中銀、市場予想に反し政策金利を0.25%引き下げ

ロシア中央銀行(中銀)は2017年3月24日、政策金利(1週間物入札レポ金利)を従来の10.00%から0.25%引き下げ9.75%にすると発表しました。引き下げは2016年9月以来です(図表1参照)。市場では概ね据え置きが予想されていました。

どこに注目すべきか: ロシア政策金利、小売売上高、原油価格

ロシア中銀は市場予想に反し、利下げを発表しました。しかし、インフレ率の低下傾向など利下げ環境は既に整っていたため、市場予想に反した利下げながら、以下に示すように、声明は驚きを感じさせない内容となっています。

声明が利下げの理由として最初にあげているのは、市場も十分認識しているインフレ率の低下です。足元(2月)のインフレ率は前年同月比4.6%と、低下傾向が続くと共に、ロシア中銀のインフレ目標(4%)に近づいています(図表2参照)。さらに声明では、インフレ率低下の背景として、ルーブルの安定化(図表1参照)、穀物増産が2015年、16年と続き食料価格が低下したこと、並びに軟調な個人消費をあげています。

2つ目の理由として、ロシア中銀は国内景気の動向をあげています。ロシアのGDP(国内総生産)成長率は最悪期から底打ちが見られ、2017年内にはプラスへ転じると見込まれています。しかし、個人消費は軟調です。ロシア中銀はロシアの実質金利の高さを受け個人が資金を消費よりも預金に振り向けている可能性を指摘しています。3月22日に公表されたロシアの2月の実質小売売上高は市場予想を下回り前年同月比マイナス2.6%となりました。このデータが公表されたことで市場では政策金利の予測を据え置きから利下げに変更する動きも見られました。

3つ目には原油価格の上昇が鈍い可能性です。ロシア中銀は中期的な経済シナリオをいくつか用意していますが、影響が大きいと見られるものをあげると原油価格です。2017年は平均して1バレル=50ドル程度と見ていることです。減産効果に不確実性を指摘しつつ、米国のシェールオイルの増産やドル高が原油価格上昇を抑える可能性を指摘しています。

次に、今後の金融政策運営については、緩和姿勢を示唆しつつ、ルーブルへの配慮も示しています。例えば、ロシア中銀は声明文では4-6月期、7-9月期に、段階的に金利を引き下げる可能性を示唆しています。一方で、議長会見では連続利下げに対し慎重な姿勢を維持するなどルーブル安への配慮も示しました。このため、通貨ルーブルは利下げ公表後も堅調に推移しました。

今後の注目点はロシア中銀が米ドルの動向を、どのように判断するかだと見ています。ロシア中銀は米国の金融政策(利上げ)を背景にドル高を見ていますが、トランプ政権の経済政策運営に対する懸念が高まる中、声明からはドル高を前提としたとも思えるロシアの慎重なペースでの緩和姿勢に変化の可能性があるかもしれず、注目しています。

 

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る