メキシコ中銀が今回の利上げで考慮したこと | ピクテ投信投資顧問株式会社

メキシコ中銀が今回の利上げで考慮したこと 中南米

メキシコ中銀が利上げ幅を縮小させたものの、通貨ペソは底堅い動きとなりました。メキシコ中銀等の為替政策、外的懸念の後退、利上げ幅は縮小も引き締めスタンスの維持が見込まれることなどが背景と見られます。

メキシコ中銀:市場予想通り政策金利を6.5%に引き上げ

メキシコ中央銀行(中銀)は2017年3月30日、市場予想通り政策金利である翌日物銀行間調達金利を従来の6.25%から0.25%引き上げて6.50%としました(図表1参照)。2016年9月の会合で利上げを実施してからは5会合連続の利上げとなりました。2016年前半は利上げと据え置きのいずれかが行われていましたが、昨年後半からは利上げが連続して実施されています。ただし、今回の利上げでは引き上げ幅を0.25%と小幅にとどめています。

どこに注目すべきか: 通貨ヘッジ入札、国境の壁、消費者マインド

メキシコ中銀が利上げ幅を縮小させたものの、通貨ペソは底堅い動きとなりました(図表1参照)。メキシコ中銀等の為替政策、外的懸念の後退、利上げ幅は縮小も引き締めスタンスの維持が見込まれることなどが背景と見られます。

まず、メキシコはトランプ政権の通商政策や米国利上げの影響でペソ安に見舞われました。これに対しメキシコはペソ防衛に努めてきました。外貨準備による為替介入、政策金利の引き上げに続き、今日のヘッドライン2017年2月22日号で紹介したブラジルの手法を参考にしたと思われる通貨ヘッジ入札の導入などで対応してきました。

次に、メキシコとの国境に壁を建設することなどを公約していたトランプ氏の米大統領当選後、軟調な推移が続いたペソですが、政権発足後のトランプ大統領の政策運営はトラブル続きです。メキシコに対する政策についても、米国への輸出品に高い関税を課すのは見送られるのではといった見方や、通商については北米自由貿易協定(NAFTA)見直しなど厳しい姿勢は維持するもトーンは軟化しているとの期待も高まっています。

3つ目に利上げ姿勢の維持があげられます。今回の声明文で最も注目を集めたのは、今回の0.25%の利上げでは米連邦準備理事会(FRB)が今月0.25%利上げしたことも考慮したと明言していることです。米国が年内あと2回の利上げが想定されることから、市場ではメキシコ中銀も追随する可能性が高いとの観測が見られます。

もっとも、メキシコ中銀は2018年末に向けて徐々に低下(インフレ目標の3%へ)と見ているものの、足元のインフレ率は高水準(図表2参照)であり、引き締め姿勢を維持しなくてはならない面も見られます。一方で、メキシコの消費者マインドの悪化が若干気がかりです。メキシコ中銀は好調な輸出などを受け成長率見通しを若干改善させたとしていますが、政策金利がインフレ率を大幅に上回ると、ブラジルやロシアのように消費よりも預金が選好される可能性が考えられるからです。

メキシコ中銀の今後の金融政策を占うと、声明文を素直に解釈すれば米国と同じ軌道、過去に比べ小幅な利上げ幅で引き締め姿勢を維持する可能性が高いと思われます。

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