アルゼンチン、債券発行再開後の歩み | ピクテ投信投資顧問株式会社

アルゼンチン、債券発行再開後の歩み 中南米

アルゼンチンの格上げの背景に、政府の経済改革があげられます。2001年の財政破綻から債券市場への復帰の道は閉ざされていましたが、2016年に再開、アルゼンチンの財政状況の改善が評価されたものと見られます。

アルゼンチン格上げ:2016年に再開した債券発行が流動性を改善

a 格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は2017年4月4日にアルゼンチンの長期債格付け(自国通貨建て、外貨建て共に)をB-からBに格上げしました。見通しは安定的(ステーブル)としています。アルゼンチンは2015年12月に就任したマクリ大統領のもと経済改革を断行、国の信用力の改善に努め、2016年には国債発行を再開させました。

どこに注目すべきか:債券発行、マクリ大統領、ポピュリズム

アルゼンチンの格付けが引き上げられた理由を振り返りながら、投資にあたり注意すべきポイントを述べます。

まず、アルゼンチンが格上げされた背景としてアルゼンチン政府の経済改革があげられます。2001年の財政破綻から債券市場への復帰の道は閉ざされていましたが、2016年に再開、アルゼンチンの財政状況が改善したとの評価が格上げの背景の1つとなっています。

アルゼンチンの国債発行が再開された2016年4月からの債券市場動向を見ると(図表1参照)、概ね市場平均並みで推移しています。利回りで見ると、2016年4月に利率7.5%で発行された(2026年償還)ドル建債は足元約6.5%で、利回りは低下(価格は上昇)しています。ただ、アルゼンチン債券は過去半年ほどは平均に比べ小幅ながら軟調です。理由は、トランプ氏当選後の混乱でアルゼンチンのような格付けの低い債券への影響が大きかったことと、アルゼンチン政府の債券発行規模が不透明であったことと思われます。

次に、長期的なインフレ率の低下期待もあげられます。債券発行ができなかったアルゼンチンは資金調達を中央銀行経由に依存していました。しかし債券発行が再開したことで、中央銀行の独立性の確保によりインフレ対応という中央銀行本来の業務へ回帰することが期待されます。この点を確認する上で、先ほどの債券(ドル建)と同じような満期で現地通貨建ての利回りを見るとインフレ率の影響で約14%程度となっています。ただし、現地通貨建て債券の利率は15.5%で、利回りは低下しています。S&Pもインフレ率見通しを2017年が20%、2018年には15%への改善を見込んでいます。

また、財政改革も継続しており、財政赤字対GDP(国内総生産)比率は2015年の約5%から2017年は1.5%への低下が見込まれています。

アルゼンチンの信用リスクの改善も想定される流れです。

ただ、気になる点もあります。変動性に移行した通貨ペソの上昇が限られている点です(図表2参照)。もうひとつは痛みを伴う政策を実施してきたマクリ大統領の人気が低下傾向なことです。2017年10月には中間選挙もあり、かつてアルゼンチンで主流派であった大衆迎合主義(ポピュリズム)が勢力を盛り返すリスクには、一応、注意は必要です。

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