貿易統計に見る、中国の注目点 | ピクテ投信投資顧問株式会社

貿易統計に見る、中国の注目点 アジア 中国

中国の4月の貿易統計は輸出入ともに伸び率が市場予想および前月の伸びを下回っています。製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月に比べ低下したことと整合的で、順調すぎた中国の景気回復のスピード調整と見られます 

中国4月の貿易統計:輸出、輸入ともに予想を下回る伸び鈍化。対米黒字拡大

中国税関総署が2017年5月8日に発表した4月のドル建の輸出は前年同月比8%増と、市場予想(11.3%)、前月(16.4%)を下回りました。輸入も同11.9%増と、市場予想(18.0%)、前月(20.3%)を下回りました。この結果、貿易収支は380億5000万ドル(約4兆3000億円)の黒字となりました。

国・地域別で対米輸出は前年同月比で11.7%増と、伸びは前月(19.7%増)を下回りました。欧州連合(EU)向け輸出は4%増にとどまりましたが、緩やかながら景気回復が続いた日本への輸出は13.3%と回復しました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:北朝鮮、対米黒字、輸入、スピード調整

 中国の4月の貿易統計は輸出入ともに伸び率が市場予想および前月の伸びを下回っています。4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月に比べ低下したことと整合的で、順調すぎた中国の景気回復のスピード調整と見られます。

中国の4月の輸出について、国・地域別を見ると、対日本のように輸出が増えた国もある一方、対EUや米国向けの輸出は減少しています。全体的には鈍化していますが、対日輸出のように回復を示す地域もあること、欧米の景気は緩やかながら回復していることから、今後の輸出について、回復傾向の維持も見込まれます。

また、特に北朝鮮での緊張が高まってからトーンは低下していますが、中国の対米輸出についてはトランプ政権から注文も多いことから、対米での輸出の伸びの低下は悪い話でない面もあります。

ただ、米国が関心を寄せているのは中国の対米黒字で、4月は213億ドルと、3月の177億ドルより拡大しています(図表2参照)。中国の貿易収支の対米黒字の動向を見ても、トランプ政権誕生後、一時的に黒字が縮小した時期は見られますが、再び拡大傾向です。北朝鮮の問題等から、中国への批判は抑えられている格好、6月には米中戦略経済対話(日程は未定)を控えており注意は必要です。

全体としても貿易黒字が拡大している背景は輸入の伸びが低下しているためと見られ、中国の内需拡大のスピード調整を反映したものと考えられます。実際、主な輸入数量を見ると、鉄鉱石がマイナスに転じたほか、銅や石油も軟化しました。

では、内需拡大のスピード調整の背景としては、軽減税率縮小による自動車販売の減速、中国の短期金融市場における引き締め傾向、一部の都市で見られた住宅ローン金利の引き上げなどがあげられます。共通しているのは、鈍化の原因はほぼ、官製要因であることです。当局による市場予想を上回った年初の中国の成長のスピード調整と考えられます。

調整の行き過ぎによる成長率急低下のリスクを注視する必要はありますが、メインシナリオは共産党大会を前にした安定重視のための一時的な調整にとどまると思われます。

 

 

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