微妙な変化に注目が必要なニュージーランド中銀 | ピクテ投信投資顧問株式会社

微妙な変化に注目が必要なニュージーランド中銀 オセアニア

NZ中銀が政策金利を据え置いたことは概ね市場予想通りですが、一部ではNZ中銀がよりタカ派寄りの声明を出すとの期待もあったようで、NZドル安が進行しました。NZ中銀は当面据え置きを維持する方針を示しています。

ニュージーランド中銀:政策金利を市場予想通り据え置くも、声明はハト派寄り

ニュージーランド(NZ)準備銀行(中銀)は2017年5月11日、金融政策会合を開催し、市場予想通り政策金利を過去最低の1.75%に据え置きました(図表1参照)。一方、ウィーラー総裁は声明で「依然多くの不確実性があり、それに応じた政策の調整が必要になる」と指摘、政策金利を相当な期間維持する方針をあらためて示しました。

どこに注目すべきか:NZ中銀声明、タカ派、ハト派、CPI、賃金

Z中銀が政策金利を据え置いたことは概ね市場の予想通りです。ただ一部ではNZ中銀がよりタカ派(金融引締めを選好する傾向)寄りの声明を出すとの期待もあったようで、公表後NZドル安(図表1参照)が進行しました。ピクテではNZ中銀は当面据え置きを維持する方針を示しています。
声明を受けNZドル安が見られた背景は以下の通りです。

1つ目は、NZ中銀が市場が想定したほどにはタカ派姿勢を示さなかったことです。1-3月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比2.2%と、NZ中銀の見通しである1.5%を上回り、またNZ中銀の目標レンジ(1~3%)の中間値に達しています(図表2参照)。NZ中銀が、やや緩和的と見られる政策金利水準を維持しており、その意味ではハト派(金融緩和を選好する傾向)姿勢を維持してきましたが、特に1-3月期のCPI公表後市場では、タカ派寄り姿勢への変化も想定されていました。

しかし、NZ中銀は声明で、1-3月期のCPIの上昇は変動の激しいガソリンや食品の値上がりといった一時的要因が働いたと指摘しています。また、住宅価格の上昇ペースは鈍化しており、賃金上昇(図表2参照)の加速も見られないとの認識を示しました。ウィーラー総裁は会見で、中立スタンスを維持したのは、インフレ圧力の欠如が理由と述べています。

2つ目は、NZ中銀は声明で、NZドル安を改めて支持したこともNZドル安要因と見ています。3ヵ月前の前回金融政策会合では声明でNZドル安が必要と、積極的な表現であったことに比べ、今回の声明では最近のNZドル下落は好ましく、基調が維持されれば成長見通しの改善につながると、トーンは穏やかとなっていますが、それでもNZドル安を容認する姿勢が市場の反応につながった可能性は考えられます。

最後に今後の見通しですが、NZ中銀は当面、声明通り政策金利を据え置くと見ています。為替については声明のトーンを変更したように、今後はNZドル安の必要性から、水準維持を重視する方向へ徐々に姿勢を変化させるものと見ています。また、当面は政策金利を据え置くも、次の金融政策の方向として引き締めも考えられます。恐らくNZ中銀は景気回復や通貨安に伴うインフレ率の底上げの可能性も意識していると見ており、次の方向として利上げも視野にいれるものと見ています。

 

 

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