ブラジル市場を襲ったテメル政権の疑惑とは | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル市場を襲ったテメル政権の疑惑とは 中南米 ブラジル

2016年のルセフ前大統領の弾劾裁判を受け、テメル政権が発足、深刻な景気後退からの脱却を図るべく、財政改革などを推し進め、成果も見え始めていただけに今後の展開によっては、景気への深刻な影響が懸念されます。

ブラジル市場大荒れ:テメル大統領に不祥事隠蔽疑惑の浮上でブラジル政界に激震

ブラジルの株式、通貨、債券の各市場は2017年5月18日大荒れの展開となりました。株式市場では指標のボベスパ指数が、前日比8.8%安となりました(図表1参照)。債券市場、通貨レアルも下落しました(図表2参照)。テメル大統領を巻き込む新たな政治危機が報道されたことが背景です。

どこに注目すべきか: テメル政権、弾劾裁判、マネーロンダリング

ブラジルでは2016年のルセフ前大統領の弾劾裁判を受け、テメル政権が発足しました。テメル政権は深刻なリセッション(景気後退)からの脱却を図るべく、財政改革などを推し進め、一定の成果も見え始めていただけに今後の展開によっては、景気への深刻な影響も懸念されます。

まず、現段階での報道内容を整理します。もっとも注目されるのはテメル大統領が隠蔽(いんぺい)工作として口止め料を払ったかという疑惑です。ブラジルのグロボ紙(17日)によると、テメル大統領がマネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴された前下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告(現在収監中)に「口止め料」を支払う様子がひそかに録音された模様です。録音されたテープは別の不正融資で疑惑がもたれている食肉加工会社JBSの幹部2人が最高裁判所に司法取引の材料として提出したと伝えられています。

また、前下院議長のクーニャ被告は昨年のルセフ前大統領の弾劾を主導した一方、今年3月にマネーロンダリングや汚職の罪で起訴されています。マネーロンダリングの不正資金が与野党の政治家に渡った疑惑も、すでに政治家らが告発を受けたとされており、クーニャ被告は一連の汚職の背後を知ると見られています。

次に、注目すべきポイントとしては、仮に報道が正しいとすると、テメル大統領の口止め料の支払(または指示?)は犯罪行為である点です。昨年のルセフ前大統領の弾劾裁判は政府予算の操作に関わった疑惑が理由で、政策との区別にあいまいな点もあり、要は人気を失ったことで弾劾されたとも見られます。一方、テメル大統領の口止め料は犯罪行為の疑いがあり、状況によっては国会での弾劾投票でなく、裁判所により短期間に失職させられるケースも考えられ、今回は市場への影響などが前回と異なる展開となる可能性もあります。

もう1つは、クーニャ被告が関わったとされる汚職がどこまで広がりを見せるか不透明なのも気懸かりです。

テメル政権のもとブラジルの改革には一定の成果は見られますが、改革の本丸は痛みを伴う年金改革などです。しかし、痛みを伴う改革には手付かずでした。つまり、本格的な政権でなければ取り組めない課題が残されたままとなっており、政権の弱体化による改革の停滞でインフレ率上昇、景気回復期待が後退する懸念も考えられ、今後の展開には注視が必要です。

 

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る