メキシコ、市場予想に反し利上げを決めた理由 | ピクテ投信投資顧問株式会社

メキシコ、市場予想に反し利上げを決めた理由 中南米

メキシコ中銀は3月に開催した前回の金融政策会合で米国の3月の利上げを念頭に利上げを行ったと述べました。そのため、市場ではメキシコ中銀は5月の利上げを見送った米国に合わせ、過半が据え置きを見込んでいました。

メキシコ中銀:市場予想に反し、政策金利を6.75%に引き上げ

メキシコ中央銀行(中銀)は政策金利を従来の6.50%から過半の市場予想に反し0.25%引き上げ6.75%としました(図表1参照)。利上げの決定は全会一致でした。予想外の利上げの公表を受け、メキシコ中銀はタカ派的(金融引締めを選好する傾向)との見方からペソは上昇しました。

どこに注目すべきか:メキシコCPI、雇用市場、GDP、FOMC

メキシコ中銀は3月に開催した前回の金融政策会合で米国の3月の利上げを念頭に0.25%の利上げを行ったと述べたことから、市場ではメキシコ中銀は5月の利上げを見送った米国に合わせ、過半が据え置きを見込んでいましたが、次の理由で利上げを決定しました。

まず、4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.82%とメキシコ中銀のインフレ目標(中心値が3%で±1%)の倍近い水準で、依然上昇傾向にあることです(図表1参照)。メキシコ中銀は声明の中でメキシコのインフレ率上昇の背景としてペソ安とペソ安の副次的な影響として輸入エネルギー価格の上昇を指摘しています。市場でも一部には4月末に公表されたCPIが6%近くまで上昇したことを受け、政策金利予想を利上げに変更する動きが見られました。

2つ目の理由として、雇用市場が堅調なことです。例えば失業率は低下傾向となっており(図表2参照)、メキシコ中銀も雇用市場はかなり引き締まった状況にあると認識しています。その結果、声明では雇用コストの上昇はインフレ率を押し上げる可能性について懸念を示しています。

最後に、メキシコのGDP(国内総生産)も決して高水準とはいえないものの、底堅く推移しています。

なお、市場の過半が据え置きを予想した背景は、メキシコの次回(6月22日)の金融政策が米連邦公開市場委員会(FOMC、6月13~14日)の後に控えていることから、米国に追随する形での利上げを見込んでいたからです。

最後に、今後の注目点として、メキシコ中銀の金融政策の展開ですが、ペソ安抑制のため米国金融政策との連動を強めるものの、今回のようにメキシコ国内のインフレ率要因で利上げというケースは減少する可能性が考えられます。メキシコ中銀は声明で経済成長の減速リスクに懸念を示しており、景気への配慮も必要と見られるからです。また、声明には書かれていませんが、メキシコでは2018年に大統領選挙が予定されています。すでに、2017年6月のメキシコ州知事選挙は18年の大統領選挙の前哨戦と位置づけられるなど、政治動向も気になる中、景気の腰を折る政策を回避するなど慎重さが見られるかもしれません。今後の動きとして、メキシコは米国の金融政策を追随する展開が想定されます。

 

 

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