カタール、国交断絶の背景と影響を探る | ピクテ投信投資顧問株式会社

カタール、国交断絶の背景と影響を探る 中東

サウジを中心とする6ヵ国とカタールに対立の根はあるものの、経済的関係もあり、国交断絶に唐突感はあります。株式市場の反応を見ると、カタールは下落していますが、他の国々の市場は相対的に落ち着きも見られます。

カタール:サウジ主導で中東などの6ヵ国がカタールと断交

サウジアラビア(サウジ)とアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、エジプト、イエメン、モルディブ(インド洋の島国)の6ヵ国は2017年6月、カタールとの国交断絶を発表しました。

カタールの外交団や国民は各国から期限内の国外退去を求められているほか、航空機の運航も中止されています。カタールの首都ドーハでは、突然の発表に市民が動揺する姿も報道され、商品買い占めや、銀行から預金を引き出すなどの対応が見られます。

どこに注目すべきか:
国交断絶、イスラム原理主義、イラン

サウジを中心とする6ヵ国とカタールに、対立の根はあるものの、経済などで関係を保ってきた面もあるため、国交断絶に唐突感はあります。株式市場の反応を見ると、カタールは下落していますが(図表1参照)、他の中東の国々の市場は相対的に落ち着きが見られます。

まず、そもそもサウジを中心とする国々とカタールが対立する要因を振り返ります。1つ目は、中東地域の政策についての意見の衝突です。カタールはハマス(パレスチナ自治区を実効支配)やエジプトのムスリム同胞団(イスラム原理主義組織ハマスの設立に関与)などを支援、またシリアなどの過激派組織との関係も一部で維持していると言われ、サウジなどがカタールとの関係に難色を示してきました。

2つ目は2016年年初に国交断絶したサウジとイランの対立姿勢が遠因で、サウジは友好国にイラン包囲網を期待していますが、カタールはイラン寄りで、外交を通じた問題解決を支持しています。

次に、日頃中東の情報に接する機会が少なく、突然とも思えた国交断絶のきっかけ(短期要因)に注目すると、1つ目は先月、カタールのタミム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長がイランやハマスを支持する旨の発言をしたと国営通信が報じたこと(カタール政府はテロ支援を否定)が関係悪化の原因と見られます。2つ目は、単なる偶然なのかも知れませんが、先月にはトランプ大統領が最初の外遊地としてサウジを訪問し協調姿勢を示したことも、サウジやその同盟国とカタールとの関係に影響を及ぼした可能性が考えられます。

株式市場の反応を見ると国交断絶されたカタールは大幅に下落していますが、他の国は比較的落ち着いています。昨年のサウジとイランの国交断絶の時と反応が異なり、直接的な影響は小規模なローカル市場にとどまることも想定されます。

一方、原油については、中東で緊張が高まると価格上昇という公式が当てはまらない展開で、むしろ下落しました(図表2参照)。原油価格は産油国間の減産合意で価格が維持されてきた面もあるためですが、今後は不透明で、政治的緊張が高まれば原油価格の変動が高まる可能性も考えられます。

 

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