ブラジル市場の動向を把握するのに必要な注目点 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル市場の動向を把握するのに必要な注目点 中南米 ブラジル

ブラジル金融政策会合(5月30~31日)の議事要旨の内容や、最近の市場動向を踏まえると、ブラジル中銀の利下げペースや、レアルの動向は、ブラジル政局の動向に大きく影響されるフレームワークとなっている模様です。

ブラジル中銀議事要旨:利下げペースを維持するも、今後は政治動向により不透明感

ブラジル中銀は2017年5月30~31日に開催した金融政策決定会合の議事要旨を6月6日に公表しました。議事要旨では利下げペースを維持し、政策金利を1%引き下げ10.25%(図表1参照)とした背景等が示される一方、政治動向によっては、今後の利下げペースが鈍化する可能性も示されました。

どこに注目すべきか:
議事要旨、構造要因、高等選挙裁判所

議事要旨の内容や最近の市場動向を踏まえると、ブラジル中銀の利下げペースやレアルの動向は、ブラジル政局の動向に大きく影響されるフレームワークとなっている模様です。

まず、ブラジル中銀が利下げが可能となった背景の一つはインフレ率の低下で、例えば、足元の消費者物価指数(IPCA-15)は前年同月比で4%を下回り、ブラジル中銀のインフレ目標中央値(4.5%)を下回っています。

ブラジルのインフレ率の低下傾向はレアル高(図表2参照)や食料品価格の低下という「自然な」要因に加え、財政悪化に対応した2年ほど前の公共料金などの引き上げが、下落に転じたという人工的な構造要因も大きく影響しています。

そこで今回の議事要旨、もしくは金融政策公表後の声明文の注目点は政治情勢をめぐる不確実性から先行きの追加利下げのペースに慎重な見解を示したことです。不安定な政治情勢が景気を悪化させ、利上げペースを早めるケースが見られることもあります。ブラジルのケースでは不安定な政治が構造改革の遅れ、レアル安を伴い、インフレ率上昇懸念に波及する恐れがあるため、利下げのペースが鈍化する可能性があり、7月は利下げ幅が、今回のように1%でなく、0.75%に縮小される可能性も考えられます。

次に、そのブラジルの政治動向を最近のレアルの動きと共に振り返ります。5月中旬にテメル大統領の汚職隠蔽(いんぺい)のための口止め料疑惑が報道されレアルは急落しました。現在、レアルは落ち着きを取り戻してはいますが、急落前の水準への戻りは道半ばです。テメル大統領には口止め料以外にも、6日に高等選挙裁判所(TSE)の審理が始まった2014年大統領選挙の不正資金疑惑などにも関与が疑われています。疑惑が多いため、市場では個別のケース(疑惑)がどうなるかよりも、手っ取り早く、2つの結果を想定して結末から市場動向を占っているようです。1つ目はテメル氏が早期辞任に追い込まれ、同氏を引き継ぐ暫定大統領のもと選挙で後継者が選ばれるシナリオを描いています。政治の改善、レアル高が見込まれます。反対に疑惑の解明が長引き、テメル大統領がズルズルと続くシナリオにはレアル安が見込まれます。

恐らく、市場はどう決着するか今は判断がつかないため、レアルが現状の水準で推移しているものと見ています。

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