ECB、人民元の外貨準備への組入れ額を公表 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ECB、人民元の外貨準備への組入れ額を公表 アジア 中国 欧州/ユーロ圏

欧州中央銀行(ECB)は、中国人民元へ外貨準備として5億ユーロ(約620億円)を投資したことを公表しました。ECBの外貨準備全体に比べれば金額はわずかですが、人民元が国際通貨として存在感を増した動きと見られます。

中国人民元:ECBが外貨準備としての人民元への投資額を公表

欧州中央銀行(ECB)は2017年6月13日、中国人民元へ外貨準備として5億ユーロ(約620億円)を投資したことを公表しました。声明によると、ECBは2017年1月の政策理事会で人民元に外貨準備として投資することを決定していました。それから半年ほど過ぎ、ECBは投資額を公表しました。

どこに注目すべきか:ECB、外貨準備高、人民元、資本市場

今日のヘッドライン2017年6月1日号で、人民元基準値の算出方法の変更により人民元が下支えされる可能性があることをお伝えしました。今回は、短期的より、長期的な影響を与える要因としてECBによる人民元への投資を紹介します。

まず、ECBの外貨準備高全体の構成を見ると、金、SDR(特別引き出し権)と、通常短期国債や預金などで構成される外貨準備高で構成されています(図表1参照)。外貨準備全体では681億ユーロですが、流動性危機などへのクッションとして使われる部分は金やSDRを除いた部分であることが多いため、外貨準備高と言えばこの部分となります。過去に比べ477億ユーロに増加しています(図表2参照)。

短期的な人民元への影響を見れば無いに等しいと見られます。また、ECBの外貨準備高に占める割合にしても極めて小幅にとどまります。

次に、ECBの声明から人民元を外貨準備高に組入れた背景を見ると1つ目は、ユーロ圏にとり、中国が重要な貿易相手であることです。

2つ目の理由は人民元が国際通貨基金(IMF)のSDRバスケット5番目の構成通貨として採用されたことです(2015年11月30日IMF理事会が人民元を自由利用可能通貨と判断したことで承認され、2016年10月1日付けで米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドとともにSDRバスケットの構成通貨へ)。

ただ、米ドルや円のように変動相場制で取引されている通貨と違い、人民元は管理相場制の通貨であるため、外貨準備高に採用されることはまれです。その意味で、ECBが人民元を外貨準備高に採用したことは象徴的な意味があると見られます。

中国は通貨だけでなく、資本市場でも規制が多く、経済規模に比べ、市場での存在感は相対的に小規模となっています。

しかし、最近の動きとして、世界の主要な株式市場並びに債券市場の指数に、中国の採用に向けた動きが本格化しています。指数に採用されるには中国当局に規制緩和が求められており、採用の可否は読みづらいのですが、資本市場開放への期待も高まっていると思われます。

 

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る