中国物価動向の今後を占う | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国物価動向の今後を占う アジア 中国

中国の物価動向に変化が見られます。例えば、2017年初めに大幅に上昇したPPIは鉄鋼産業の供給過剰問題や景気鈍化の兆しを背景にスピード調整が見られます。一方、CPIは落ち着いた動きが続くと見られます。

6月中国物価指数:生産者物価上昇率は前月と同水準を維持、底堅い需要を示唆

中国国家統計局が2017年7月10日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.5%と、前月(1.5%)に一致し、市場予想(1.6%)を小幅ながら下回りました。また、同日に発表された6月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比5.5%上昇と、市場予想(5.5%)、前月(5.5%)と一致しました。中国当局が過剰投資を抑制しているものの、内需は依然底堅さを維持している可能性も示唆される内容と見られます。

どこに注目すべきか:中国物価動向、鉄鋼生産、食料価格

中国の物価動向に変化が見られます。例えば、2017年初めに大幅に上昇したPPIは鉄鋼産業の供給過剰問題や景気鈍化の兆しを背景にしたスピード調整がみられます(図表1参照)。物価動向の背景と影響として次の点があげられます。

まず、大きな変動を示した生産者物価指数(PPI)に注目すると、最大の変動要因であった鉱物並びに原材料価格指数が低下しています。例えば、2017年年初にはPPIの構成指数である鉱物指数は前年同月比で30%を超える上昇を示していましたが、6月は同18.3%となっています。また、原材料指数も年初は同15%程度で推移していましたが、足元同10%程度に低下しています。世界の原材料価格の低下傾向と整合的な動きとなっています。なお、鉄鉱石価格については足元上昇傾向ですが、中国政府が低品質の鉄鋼生産を減らす政策を推し進めたことにより、質の高い鉄鋼の生産が拡大したことが背景と見られます。中国当局も闇雲に一律削減という対応ではないように思われます。

次に、消費者物価指数(CPI) を食料と非食料項目に分けて見ると、食料価格は前年同月比でマイナス1.2%となる一方、非食料価格は同2.2%という構成です。(恐らく)豚肉価格の下落を背景とした食料価格の低下が消費者価格を下押しする動きが続いています。今後については、食料品価格の下押し効果は想定しがたく、むしろプラスに転じる可能性がある一方、非食品価格は低下傾向であるためCPI全体では、当面落ち着いた動きが期待されます。

最後に、物価動向の影響として引き締め気味に推移してきた時期もある中国の短期金利が今後、緩やかながら低下する可能性も考えられます(図表2参照)。PPIがマイナスからプラス圏に転じ、上昇が加速した頃からじり高となっていた短期金利ですが、今後は価格水準に応じ調整される可能性も考えられます。

中国の今後の物価動向については、安定的なCPIの推移と、PPIについては(主に過去の急上昇分について)、若干のスピード調整を見込んでいます。

 

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