豪ドル上昇の裏にあるもの | ピクテ投信投資顧問株式会社

豪ドル上昇の裏にあるもの オセアニア

豪中銀の議事要旨最後の結論で、豪中銀は他の多くの先進国中銀と異なり、緩和姿勢を維持する可能性を示唆しましたが、市場では豪ドル高が見られました。最近の豪ドル高の背景となったと考えられる要因について述べます。

豪中銀議事録:他の中央銀行の動向を意識するも、不動産と雇用を注視

オーストラリア準備銀行(中央銀行、豪中銀)は2017年7月18日に金融政策決定会合議事録(7月4日開催分)を公表しました。国内の不動産と雇用を巡る見通しがまだはっきりしないことなどが、緩和的な水準(1.5%)となっている政策金利を維持した背景として述べられています。また、米国や欧州など他の先進国の多くで、金融引締めもしくは引締め方向への兆しが見られるも、豪中銀は国内経済の先行きに不透明感が残るとし、追随の用意がないことを示唆しました。

どこに注目すべきか:豪ドル、鉄鉱石、個人消費、雇用、中立金利

豪中銀の議事要旨最後の結論で、豪中銀は他の多くの先進国中銀と異なり、緩和姿勢を維持する可能性を示唆しましたが、市場では豪ドル高が見られました(図表1参照)。最近の豪ドル高の背景として次の要因が考えられます。

1つ目は鉄鉱石価格の回復です。中国などからの需要が底堅いことなどを受け、6月後半から鉄鉱石価格に底打ちが見られました。鉄鉱石と豪ドルは概ね連動しており、鉄鉱石価格上昇の持続性が豪ドルの動向を占う鍵と見ています。

2つ目は最近公表された豪経済指標の一部が、景気回復を示唆していたことです。例えば、動きの鈍かった消費ですが、5月の小売売上高は前月比0.6%と改善し、これで2ヵ月連続で市場予想を上回りました(図表2参照)。雇用者数変化(前月比)も改善傾向で、企業の採用意欲の強さを感じさせる指標も見られます。ただ、雇用については議事録などでも指摘しているように賃金上昇圧力は依然穏やかなど、軟調なデータも見られる点に注意は必要です。

3つ目は、豪中銀が18日に公表した議事録の内容の一部がタカ派的と受け止められたことです。特に注目されたのは、議事録が(7月4日の声明文には見られなかった)名目中立金利について言及していることです。議事録の中で(やや唐突に)中期的なインフレ期待が2.5%程度で安定しているとした場合、名目中立金利は3.5%程度であると述べられています。もっとも、直接測定できない名目中立金利は低下傾向とも推定しており、確信の度合いは低いようにも感じられます。それでも、長期的な政策金利の目安とも考えられる名目中立金利が現在の政策金利(1.5%)を上回っているとの推定を示したことは、将来の引き締めの兆しと解釈できるかもしれません。

最近の米経済指標の軟調さを背景に米ドル安地合いとなる中、名目中立金利議論は新鮮に映ったと思われます。

それでも、豪中銀は住宅市況並びに労働市場を注視し続ける姿勢を強調しており、他の中央銀行と足並みをそろえて金融引締めに向かう前に、慎重に景気を見極めると見ています。

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