ブラジル大統領、下院が裁判を否決 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル大統領、下院が裁判を否決 中南米 ブラジル

テメル大統領の裁判が回避されるとの見込みを、ブラジル株式市場やレアルは好感したように見受けられます。ただ、上昇の要因にはブラジル経済の質の改善にも目を向けるべきと思われます。

ブラジル大統領:収賄罪の裁判回避、下院が裁判開始を否決

ブラジルのテメル大統領の裁判(連邦検察が6月起訴)開始を決める下院採決は、2017年8月2日(現地時間)に否決されました。裁判開始は否決されたことで、テメル大統領は任期満了(2018年12月)まで政権を存続させる道が開かれました。ブラジル下院(定数513)のうち、最高裁での公判手続き継続に至るには定数の3分の2(342票)の確保が必要でしたが不成立となりました。

どこに注目すべきか:大統領起訴、格付け、政策金利、インフレ率

テメル大統領の裁判が回避されるとの見込みを、ブラジル株式市場やレアルは好感したように見受けられます(図表1参照)。ただ、上昇の要因にはブラジル経済の質の改善にも目を向けるべきと思われます。 まず、テメル大統領への疑惑を簡単に振り返ると、5月に現地新聞が、テメル大統領が前下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告への支払いを承認する様子をひそかに録音したテープを食肉加工会社の幹部が最高裁判所に提出したと報道したことです。この報道をきっかけに、テメル大統領のスキャンダル隠しへの関与が疑われました。 テメル大統領は別件でも訴追されるなど問題はありますが、政策的には財政改革を進めていただけに、疑惑発覚当初は改革の頓挫が懸念されました。例えば、直後に、米系格付け会社が、財政改革の後退を懸念して、ブラジルの格付けをネガティブウォッチ(格下げ方向で検討)や見通しの引き下げを行っています。 それでも、市場は次の2点を背景に回復したと見られます。 まず、テメル大統領の疑惑など政治的には懸念が台頭しましたが、構造改革など政策への影響は今の所限定的なことです。例えば、ブラジル中央銀行は7月26日に前回同様1%の引下げを維持しましたが、利下げ幅を維持した理由を同行は、政治的動揺が経済状況に影響を与えなかったためと説明しています。 2点目はブラジル経済の改善です。レアル高や構造改革を背景にインフレ率の低下傾向は継続中です(図表2参照)。過去のブラジルの高インフレのイメージからは想像もできない改善となっています。また、ブラジルの経常収支が景気悪化時の輸入減少と、商品価格の安定による交易条件の改善を背景に黒字転換しています。海外からの投資も底堅い動きです。 ただ、テメル大統領には他にも疑惑があることや、見通しなどを引き下げた格付け会社の判断はまだ示されていないなど不透明要因が残る点に注意は必要ですが、構造改革路線が維持されるならば、利下げ継続と、それに伴う緩やかな景気回復は当面維持されるものと思われます。

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