中国、安定化が対外取引にも見られる | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国、安定化が対外取引にも見られる アジア 中国

7月の中国貿易統計は輸出入の伸びは、共に市場予想を下回りました。ただ、外貨準備高や短期の資本取引を示す資本フローなど他の対外取引データも併せて見ると、対外取引に安定性の高まりが示唆される内容と見られます。

中国7月対外貿易統計:輸出、輸入共に市場予想を下回る

中国税関総署が2017年8月8日に発表した7月の貿易統計で、輸出はドルベースで前年同月比7.2%と、市場予想(11.0%)、前月(11.3%)を下回りました。輸入は同11%と、市場予想(18.0%)、前月(17.2%)を下回りました。この結果、貿易収支は467億ドル(約5兆1700億円)の黒字となり、市場予想(450億ドル)、前月(427.5億ドル)を上回りました。

中国人民銀行が8月7日に発表した外貨準備高は7月末で3兆810億ドルと、6ヵ月連続増加しました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:中国貿易統計、外貨準備高、資本取引

中国の対外取引として注目される貿易統計は輸出入の伸びは共に市場予想を下回りました。ただ、外貨準備高や短期の資本取引を示す資本フローなど他の対外取引データも併せて見ると、安定性の高まりが示唆される内容と見られます。まず、予想外に鈍化した7月の貿易統計を見ると、輸出が減速した主な背景は米国および欧州連合(EU)向けが悪化したためです。ただ、アジア向けなど改善した地域も見られます。輸出先の景気動向が中国輸出に反映した格好です。

輸入は、主要輸入商品の多くが前月に比べ減少しました。例えば、原油、石炭、鉄鉱石などは前月を下回りました。投資を中心に、中国の内需の伸びに鈍化が示唆されています。ただ、銅は(金額ベースで)前月比、小幅増加しています。中国の7月の貿易統計や足元の回復が鈍い製造業購買担当者景気指数(PMI)などから、中国の2017年後半の経済成長率は6.9%と好調であった年前半から減速が見込まれますが、懸念すべき落ち込みというよりは、中国当局が目指す経済の安定化に沿った動きと見ています。

次に、貿易以外の対外取引にも安定化が見られます。例えば、外貨準備高は2014年後半からの減少傾向から脱しているように見えます。人民元高によるかさ上げ分を考慮すると上昇に転じたとは判断できないかもしれませんが、少なくとも最悪期に比べ外貨準備高の減少に落ち着きは見られます。対外取引における、中国当局の懸念事項であった短期的な資本取引(ホットマネー)は、過去に比べ資本流出に減速が見られます(図表2参照)。中国国家外為管理局(SAFE)が7月20日に定例記者会見で、中国から資金が大量流出するリスクは将来的に大幅に低下したとの見解とも整合的です。SAFEは流出減少の背景として、今年から導入した個人の外貨購入に関する開示要件など各規制の効果を述べています。 2017年5月までの推定資本フロー合計は、2016年全体の4分の1以下で、資本流出懸念は後退したと見られます。

中国の貿易にある程度減速は想定されますが、安定化が伴っているならば、悪い話ばかりではないように思われます。

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